厚生労働省が「介護現場の協働化推進セミナー」を案内
厚生労働省は2026年10月2日、「介護現場の協働化推進セミナー」の開催案内と参加募集を開始しました。案内によれば参加費は無料で、協働化を検討する介護事業者のほか、支援に携わる自治体関係者なども対象としています。
この動きは、介護施設・事業所の「協働化・大規模化による介護経営の改善に関する政策パッケージ」の一環です。厚生労働省は、特に1法人1拠点などの小規模事業所が、地域で必要なサービスを安定的に提供し続けるための経営改善を重視しています。
2026年10月2日にセミナーの参加募集が始まったこと、厚生労働省が協働化・大規模化を支援する政策と事例を公開していることは公表資料で確認できます。個別の事業所に協働化が義務づけられたという発表ではありません。
協働化は、すべてを一つの法人にまとめることではない
「協働化」と聞くと、合併や法人統合を連想するかもしれません。しかし、厚生労働省の政策資料では、小規模法人がネットワークを組み、人材確保、ICT導入、地域貢献などを共同で進める取り組みも示されています。
それぞれの事業所の独自性を保ちながら、単独では負担の大きい仕事を分担する方法も考えられます。もちろん、協働化の効果や実施方法は事業所の規模、法人形態、地域の事情によって異なります。
効率化を進めても、地域に知られる活動は必要
共同調達や事務処理の効率化が進んでも、地域のケアマネジャー、地域包括支援センター、病院の地域連携室が、各事業所の特徴を自動的に理解してくれるわけではありません。
たとえば、受け入れ対象、対応エリア、提供できるサービス、連絡先、利用開始までの流れ。こうした情報は、必要な人に届き、必要な場面で思い出してもらえて初めて意味を持ちます。
協働化によって経営資源を有効に使えるようになったとしても、地域への周知を止めれば、情報の接点まで細くなるおそれがあります。これは政策の直接的な結論ではなく、地域連携営業の現場から考えた論点です。
「数は質の元」――訪問件数が活動の土台になる
株式会社メディケアプロモーションのMotherは、介護・障がい福祉・訪問医療の事業所に代わり、地域の関係機関へ正確な情報を届ける地域連携営業支援です。
活動の出発点は、十分な訪問件数を確保することです。訪問先が少なければ、地域での認知を広げる機会も、質問や反応を得る機会も限られます。少ない訪問経験だけで活動の質を評価することはできません。
「数は質の元」。まず訪問を積み重ねて情報を届ける。その活動量を土台として、地域の反応や接触状況を記録し、伝え方を改善する。質を高める議論は、十分な件数の上に成り立ちます。
訪問は、紹介を依頼するためだけのものではない
地域連携営業を、すぐに利用者を紹介してもらう活動と捉えると、短期間の問い合わせ件数ばかりに目が向きます。しかし、事業所を必要とするタイミングは地域の支援者や利用者ごとに異なります。
そのときに思い出してもらうためには、事業所の存在やサービスの内容が、あらかじめ地域に伝わっていることが大切です。訪問先で担当者と立ち話ができれば情報を伝え、不在の場合は資料を残す。こうした一回一回の周知活動も接点づくりの一部です。
共同化しやすい仕事と、地域ごとに必要な仕事を分ける
事務作業、研修、ICT環境などには、複数の事業所で共有することが有効な場面があります。一方、地域の医療・介護関係者に対する説明は、同じ資料を全国へ一斉送信するだけで完結するとは限りません。
各地域で利用されている相談窓口、ケアマネジャーの関心、病院の連携体制などは異なります。だからこそ、情報の整理を効率化しながらも、地域で実際に訪問し、説明し、反応を確かめる活動を確保することが重要です。
①対象地域と訪問先を整理する → ②十分な訪問件数を確保する → ③資料投函・担当者接触・質問などを記録する → ④地域別の傾向を確認し、伝え方を改善する。
協働化を検討する事業者が確認したい三つのこと
第一に、地域への情報提供を誰が担うか。協働化後に業務の担当を変更するとき、既存の周知活動まで途切れないようにする必要があります。
第二に、何を共通化し、何を地域別に伝えるか。法人全体の理念や基本情報は共有できても、受け入れ状況や対応エリアは拠点ごとに異なることがあります。
第三に、活動量をどう確保するか。訪問件数を明確にしたうえで、担当者への接触状況や地域の反応を継続して確認することが、現実的な改善につながります。
多拠点展開や新規開設では、地域への周知を先行させる
新しい拠点を開設する場合、建物や人員、システムの準備と並行して、地域の関係機関へ情報を届ける必要があります。開設してから認知が自然に広がるとは限りません。
大企業の地方展開や複数拠点の新規開設において、現地での周知活動を必要な地域・期間に応じて実施する仕組みとして、地方展開・新規開設の地域連携営業BPO「THRIVE」もご案内しています。
まとめ|経営を効率化しても、地域への訪問を止めない
厚生労働省が進める介護事業所の協働化・大規模化は、地域で必要な介護サービスを持続させるための経営改善策です。一方、事業所が地域に知られ、必要なときに思い出されるためには、継続した情報提供が欠かせません。
Motherの考え方は明確です。十分な訪問件数を確保し、その活動を通じて認知と理解を広げる。数は質の元。効率化によって生まれた余力を、地域との接点づくりにも向けていきたいと考えています。
・厚生労働省「介護施設・事業所の協働化・大規模化」(2026年10月2日付セミナー案内を含む)
・同ページ掲載「介護現場の働きやすい職場環境づくりに向けた経営の協働化・大規模化の進め方ガイドライン」(2026年1月)
※本記事は2026年10月8日時点で確認できる公表情報をもとに構成しています。地域連携営業への応用部分は編集部の考察です。
よくある質問
介護事業所の協働化は義務なのでしょうか?
厚生労働省の紹介資料は、協働化・大規模化を検討する事業所向けの支援策や事例を示したものです。すべての介護事業所に一律の協働化を義務づける発表ではありません。
協働化は法人合併と同じですか?
同じではありません。合併などの大規模化のほか、複数の事業所や法人がネットワークを組んで人材確保、ICT導入などに取り組む形もあります。
経営効率化が進めば地域連携営業は不要になりますか?
事務処理を効率化しても、地域の支援者が事業所の特徴を理解するための情報提供は必要です。訪問による周知と、業務の効率化は両立して考えられます。
Motherは訪問件数と質をどう考えていますか?
まず十分な訪問件数を確保することが大前提です。その土台があってこそ地域の反応や情報を蓄積でき、活動の質を高める議論ができます。「数は質の元」という考え方です。
