10月13日、厚生労働大臣会見でデイサービスの経営環境に言及
厚生労働省が公表した2026年10月13日付の大臣会見概要では、記者から「デイサービス事業者の倒産が今年1月から9月までで47件となり、同期間の過去最多になった」という民間調査について質問がありました。大臣は、この調査結果を承知しているとしたうえで、個々の事業所の倒産理由を網羅的に把握しているわけではないと説明しました。
会見では、中山間地域での送迎コストの負担や、介護業界全体での物価・人件費高騰、小規模事業所の経営状況にも言及がありました。2027年度介護報酬改定の検討に際しては、平均的な収支だけでなく、地域別・規模別・移動コストなどを丁寧に確認する考えが述べられています。
「47件」は2026年1〜9月を対象とする民間調査の倒産件数として会見で言及された数字です。国によるすべての事業所の廃止件数を示すものではなく、休止・自主廃業・統合などを含めた全国の事業所減少数とも異なります。倒産の原因を「地域連携不足」と断定する根拠はありません。
経営が厳しくなる理由を、一つに決めつけない
介護事業所の経営には、人件費、物価、送迎、職員確保、設備、利用者の状況など多くの要因が関わります。同じ通所介護であっても、都市部と中山間地域では送迎に必要な時間やコストが異なります。
だからこそ、倒産の報道を見て「営業をしていないから」「利用者が集まらないから」と単純に説明することは適切ではありません。事業所ごとの収支や地域環境を確かめず、原因を決めつけることは避けたいところです。
2027年度介護報酬改定では通所系サービスも議論へ
厚生労働省は同じ10月13日、第270回社会保障審議会介護給付費分科会を翌10月14日に開催する予定だと案内しました。予定議題は、2027年度介護報酬改定に向けた通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、療養通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護などです。
10月13日時点で公表されているのは開催案内と予定議題です。この段階で次年度の報酬単位や加算要件が決定したわけではありません。検討中の制度と、既に施行されている制度を分けて伝える必要があります。
経営の改善と、地域への周知は役割が異なる
経営を安定させるには、利用状況だけでなく、人員配置やコスト、サービスの提供体制などを考える必要があります。地域への周知活動は、そのうち「地域のケアマネジャーや関係機関に事業所の情報を知ってもらう」という役割を担います。
必要な情報が地域に届いていなければ、ケアマネジャーが利用者に合う選択肢を検討する際、その事業所が思い浮かばないかもしれません。一方、周知活動を増やしたからといって、それだけで経営問題が解決するとは限りません。それぞれの課題と成果を分けて評価する姿勢が重要です。
Motherの原則は「数は質の元」
株式会社メディケアプロモーションのMotherは、介護・障がい福祉・訪問医療の事業者に代わって、地域のケアマネジャー、地域包括支援センター、病院の地域連携室などへ情報を届ける地域連携営業支援です。
その活動ではまず十分な訪問件数を確保することが大前提です。訪問件数が不十分では、地域への認知が広がらず、質問や反応の蓄積も足りません。十分な活動量のないまま「質」を論じても、その判断の土台はできていないと考えます。
「数は質の元」。まず件数を確保して周知の機会を広げる。そのうえで、何が伝わり、何が伝わらなかったのかを確かめ、次の訪問や資料の改善につなげます。
「紹介してください」ではなく、思い出してもらうための情報提供
ケアマネジャーがデイサービスを検討するタイミングは、利用者の状態や希望、家族の事情によって異なります。事業所側の都合だけで、その場ですぐに利用につながるとは限りません。
だからこそ、事前に対応できる利用者像や提供プログラム、営業日、送迎エリアなどを知っておいてもらうことが大切です。訪問は、地域で必要なときに思い出されるための広告・周知活動という側面を持ちます。
訪問時に担当者が不在なら資料を投函し、立ち話ができるときは簡潔に情報を伝える。その一つひとつが地域への情報到達につながります。
デイサービスの資料で確認したい情報
「機能訓練に力を入れています」「地域密着です」といった表現は、それだけでは利用場面を判断しにくいことがあります。ケアマネジャーが実務で使う情報に置き換えると、周知の意味が明確になります。
①対象となる利用者像 ②提供内容・特徴 ③営業日・利用時間 ④送迎の対応範囲 ⑤空き状況の確認方法 ⑥相談窓口・電話番号 ⑦資料の更新日。
※実態や制度と一致する内容を記載し、個別の受け入れ可否は事業所へ確認してもらいます。
訪問活動の結果は、条件をそろえて読む
地域の反応を見るときは、訪問件数、訪問した事業所の種類、接触率、資料投函、再訪の有無、質問内容、活動期間などを確認します。同じ件数でも訪問先の構成や地域の事情が異なれば、得られる反応は変わります。
まず十分な訪問件数を確保したうえで、こうした記録を整理することが重要です。「問い合わせがなかった訪問は無価値」と切り捨てたり、少ない訪問数だけで地域全体の傾向を決めたりすることは避けるべきでしょう。
経営環境が厳しい時期ほど、役割を明確にした活動設計を
人件費や物価の負担が大きいとき、周知活動にも費用対効果の説明が求められます。ただし、費用対効果を短期の紹介数だけで判断すると、認知を積み重ねる活動の性質が見えにくくなります。
訪問活動に必要な件数と期間、届ける情報、記録する項目を事前に整理すること。活動量を維持できる設計にして、地域に届いた接点を振り返ること。これは即時の利用者獲得を保証する方法ではなく、周知の機会を継続的に確保するための設計です。
複数拠点の展開でも、地域ごとの周知が必要
通所系サービスを新規開設する場合や、複数地域へ展開する場合、既存拠点の知名度が新しい地域へそのまま移るとは限りません。地域ごとに訪問先を把握し、十分な訪問件数を確保して、正確な情報を届ける必要があります。
大企業の地方展開や新規開設における現地の周知活動には、地方展開・新規開設の地域連携営業BPO「THRIVE」という選択肢もあります。
まとめ|経営上の課題と、地域への周知活動を混同しない
10月13日の大臣会見では、民間調査によるデイサービス倒産47件という数字が取り上げられ、介護事業者の経営環境について議論がありました。この数字だけから個別事業所の倒産原因を判断することはできません。
一方、地域の関係者へ事業所の情報を届けるという課題は、経営環境が変化しても残ります。まず十分な訪問件数を確保する。その活動量を土台に、地域での認知と理解を広げる。 Motherが大切にする「数は質の元」は、こうした考え方を表しています。
・厚生労働省「上野大臣会見概要」(2026年10月13日)
・厚生労働省「第270回社会保障審議会介護給付費分科会を開催します」(2026年10月13日)
・厚生労働省「社会保障審議会(介護給付費分科会)」
※本記事は2026年10月13日に確認できた公表内容を基本としています。倒産件数は会見で言及された民間調査の数字であり、国の悉皆統計ではありません。地域連携営業への応用は編集部による考察です。
よくある質問
デイサービスの倒産47件は、国が集計した数字ですか?
いいえ。2026年10月13日の大臣会見で取り上げられた民間調査の数字です。対象は2026年1〜9月で、事業所の自主廃業や休止まで含めた数ではありません。
倒産が増えたのは、地域連携営業が不足していたからですか?
そのようには断定できません。会見では人件費や物価、送迎コストなど複数の経営課題が挙げられました。個々の事業所の倒産原因を網羅的に把握しているわけではないと説明されています。
2027年度の通所介護の報酬改定内容は決まりましたか?
2026年10月13日の段階では、翌14日に開催される介護給付費分科会の予定議題が案内されたところです。この段階で改定内容が決定したわけではありません。
Motherで「数は質の元」を大切にする理由は?
十分な訪問件数がなければ、地域への周知や現場の反応を蓄積する機会が足りないためです。まず必要な活動量を確保し、そのうえで説明や資料の質を高めます。
