全国1,053人調査で示された「説明前」と「説明後」の違い
確認できる事実:NTTデータ経営研究所とNTTドコモビジネスXは、全国の20歳以上の男女を対象に「外国人介護スタッフによる訪問系介護サービスに対する生活者の意識調査」を実施しました。調査期間は2026年7月8〜12日、非公開型インターネットアンケートで、有効回答1,053人です。調査結果は10月7日に公表され、共同調査先から10月16日にも発信されています。
自分が訪問系介護サービスを利用する場合に、外国人介護スタッフの担当が「気になる」「どちらかといえば気になる」と答えた人は44.7%。研修・同行訪問など事業所に求められる仕組みが整っていることを示した後、同じ回答者に尋ねると35.1%となりました。差は9.6ポイントです。
44.7%と35.1%は、同一回答者に仕組みを提示する前後の意識上の回答割合です。実際にサービスを利用した人が9.6%増えたという意味でも、説明すれば必ず不安が解消するという実証結果でもありません。調査の出所:NTTデータ経営研究所/NTTドコモビジネスX。
「気になる」の背景にあるのは、家庭での生活と緊急時の対応
自分または家族が訪問系介護サービスを利用する場面で外国人スタッフの担当を気にすると答えた500人への質問では、68.4%が家庭で大切にしている生活のやり方・習慣が伝わりにくいこと、60.2%がトラブルや急変時にすぐ応援を頼めないことを気がかりとして挙げました。
これらは「外国人スタッフには対応できない」という事実を示すものではありません。調査が捉えているのは生活者の懸念です。むしろ、事業所が生活習慣の共有方法や緊急連絡体制を具体的に説明することに意味がある、と読むのが適切でしょう。
安心の判断材料は、国籍よりも「どのような体制で支えるか」
調査では、外国人スタッフが訪問系介護サービスに従事することについて、回答者の77.1%が何らかのプラス面を挙げました。一方、本人が安心して受け入れるために重要な項目(上位3つまでの複数回答)では、日常会話ができる日本語能力が67.5%、必要な資格・研修の修了を確認できることが45.0%でした。
さらに、情報や取り組みを示した場合に「受け入れやすくなる」とした割合は、日常会話ができると分かること73.7%、緊急時の連絡体制が明確であること71.7%、慣れるまで先輩職員が同行すること71.4%でした。いずれも意識調査の回答であり、個別事業所の実施率ではありません。
パンフレットで伝えるべきは、抽象的な「安心」だけではない
ここからは株式会社メディケアプロモーションによる地域連携営業・資料づくりの考察です。例えば「安心・安全な訪問介護」という見出しだけでは、ケアマネジャーが利用者や家族へ説明するための材料として十分とは限りません。事業所の実態を確認したうえで、次のような情報を整理すると伝わりやすくなります。
- 初回訪問と引き継ぎ:担当者の紹介、生活習慣やケア上の注意点の共有方法。
- 研修と同行:実施している研修、同行訪問の条件、独り立ちまでの確認方法。
- 緊急時の連絡:急変時の連絡先、管理者や関係職種への連絡手順。
- 相談・苦情窓口:利用者・家族・ケアマネジャーが相談できる連絡先。
- 受入条件:対応エリア、曜日・時間、実際に対応できるケアの範囲。
これらは全事業所が同じ運用をしていると断定するものではなく、自事業所で確認できた内容だけを記載するための編集例です。外国人スタッフの雇用の有無にかかわらず、説明の透明性は地域連携の基礎になります。
資料を整えたら、まず十分な訪問件数を確保する
良い資料を作っても、地域の支援者に届かなければ認知は広がりません。Motherが重視するのは、まず十分な訪問件数を確保し、ケアマネジャー、病院の地域連携室、地域包括支援センターなどへ正確な情報を届けることです。
訪問を重ねることで、「緊急時の対応はどうなっていますか」「新しいスタッフへの引き継ぎはどうしていますか」といった質問に接する機会も増えます。その反応を事業所へ戻し、パンフレットや説明内容を改善する。「数は質の元」という考え方は、活動量を土台に説明の質を高めるためのものです。
上図はMotherの一般的なサービスの流れを示したもので、今回の調査実施企業や調査対象事業所にMotherが関与したという意味ではありません。Motherは利用者紹介の仲介や成約保証ではなく、お問い合わせの切っ掛けとなる訪問PR活動を担います。
「説明できること」と「実際にできること」を一致させる
例えばパンフレットに「緊急時も安心」と書くのであれば、誰が、どの時間帯に、どのような連絡を受けるのかを明確にしておく必要があります。スタッフの日本語能力や同行体制についても、事業所内で確認できないまま一律に保証する表現は避けるべきです。
営業担当者が現場で答えられない質問を受けた場合は、無理に回答せず、事業所へ確認する。資料の作成日・更新日を記載し、運用変更があれば差し替える。「言えることを増やす」よりも、「確かに言えることを正しく届ける」姿勢が、長期的な信頼に結びつくと考えます。
調査結果を全国の利用者の実態と混同しない
今回の調査対象は全国の成人1,053人ですが、訪問介護の実利用者1,053人を追跡した調査ではありません。意識上の回答は、年齢や利用経験、地域、事業所の具体的な体制などによって変わる可能性があります。今回の数字から、全国の利用者が一律に同じ不安を持つ、または資料の改善だけで利用が増えると結論づけることはできません。
したがって、各地域の営業現場では、今回の結果を質問項目を考えるための参考情報として使い、実際のケアマネジャーや支援者から得た反応と混同しないことが大切です。
地域連携営業の担当者が見直したい資料チェック
- 抽象的な理念だけでなく、利用者・家族が確認したい対応手順が書かれているか。
- 研修・同行・連絡体制について、事業所の運用と説明内容が一致しているか。
- ケアマネジャーが相談先を判断できる受入条件と連絡先が明示されているか。
- 訪問件数と訪問記録を確保し、質問・反応を次の資料改善に反映できるか。
- 訪問活動による認知と、実際の紹介・利用実績を混同していないか。
多拠点の地域展開では、情報の統一と現地への伝達が課題
新規開設や地方展開では、各拠点で提供できる内容が異なる場合があります。企業側で説明内容の正確さを管理しながら、地域ごとに必要な訪問PRを進めることが重要です。多拠点・広域展開の地域連携営業を外部に委ねたい企業向けには、関連サービスとして地方展開・新規開設の地域連携営業BPO「THRIVE」もご案内しています。
まとめ|安心は「仕組み」と「伝達」の両方から生まれる
今回の調査が示したのは、事業所の研修や同行訪問などの仕組みを説明することで、外国人スタッフによる訪問系サービスへの意識上の受け止めが変わる可能性です。重要なのは、説明だけを先行させず、実際の支援体制を整え、確認できる内容を伝えることです。
「数は質の元」。まず十分な訪問件数で情報を届け、地域の支援者が正しく理解できる接点を増やす。その積み重ねを通じて、資料と説明の精度を高めていくことが、Motherの地域連携営業の基本です。
・NTTデータ経営研究所「外国人介護スタッフによる訪問系介護サービスに対する生活者の意識調査」(2026年10月7日公表)
・NTTドコモビジネスX「共同調査の発表」(2026年10月16日)
※調査:2026年7月8〜12日、全国の20歳以上の男女、有効回答1,053人。調査結果の出所:NTTデータ経営研究所/NTTドコモビジネスX。情報基準日:2026年10月18日。資料づくりと訪問PRの提案は株式会社メディケアプロモーションの考察です。調査データや図表を改変・転載していません。
よくある質問
「44.7%から35.1%」は利用者が増えたという意味ですか?
いいえ。事業所に求められる仕組みを示す前後に、同じ回答者へ意識を尋ねた結果です。差は9.6ポイントであり、実際の利用・申込行動の変化を示していません。
調査の対象と実施時期は?
全国の20歳以上の男女1,053人を対象とする非公開型インターネットアンケートで、2026年7月8〜12日に実施されました。実利用者のみを対象とした追跡調査ではありません。
事業所のパンフレットには何を載せるべきですか?
事業所が確認した研修・同行・緊急連絡体制、対応できるケア、受入条件、相談窓口などを具体的に記載することが考えられます。未確認の内容を保証する表現は避けます。
外国人スタッフを採用していない事業所にも関係がありますか?
今回の数値は外国人スタッフに関する調査ですが、利用者・家族が気にする緊急時の連絡方法や生活習慣の引き継ぎなどは、国籍にかかわらず事業所が説明を見直す際の参考になります。
Motherは利用者紹介や契約獲得を保証しますか?
いいえ。Motherはクライアントから資料を預かり、ケアマネジャーや医療機関等へ訪問PRを行う地域連携営業支援です。利用者紹介の仲介や成約保証ではありません。
