10月19日の厚労省資料に「ICT情報連携の評価新設案」

確認できる事実:厚生労働省は2026年10月19日、第271回社会保障審議会介護給付費分科会の資料を公表しました。資料3「訪問看護」(41ページ)には、「訪問看護ステーションが地域の医療機関等とICTを用いて情報連携した場合の評価を設けてはどうか」という対応案が示されています。

資料は、2026年度の診療報酬改定において、ICTを用いた医療情報を活用する訪問看護の評価が新設されたことにも触れています。今回の介護保険側の提案は、医療保険との制度上の整理も含め、今後の審議を要するものです。

制度情報の重要な区別
2026年10月19日に示されたのは、2027年度介護報酬改定に向けた「対応案」です。介護保険の訪問看護にICT連携の新たな加算が確定したわけではありません。名称、単位数、算定要件、開始時期は、正式な告示・通知等を確認するまで断定できません。

調査で「時間短縮75.6%」「連絡もれ防止64.4%」

同資料の40ページでは、全国訪問看護事業協会の2024年「訪問看護ステーションのICTについてのアンケート調査」が引用されています。地域連携にICTを利用している場合の効果に関する設問は2,333事業所の回答(複数回答)です。

  • 時間の短縮:75.6%
  • 連絡もれの防止:64.4%
  • 患者のQOL向上:40.3%
  • 新規利用者の増加:11.6%

これらはICT利用の効果として各項目を選んだ事業所の割合です。「業務時間が75.6%削減された」「ICTによって新規利用者が11.6%増えた」という実測結果ではありません。また、2024年調査を2026年10月19日の審議資料が引用したものであり、2026年に実施された新規調査ではありません。

ICTでできることと、地域連携営業が担うことは異なる

ここからは、株式会社メディケアプロモーションによる地域連携営業の考察です。ICTは、患者・利用者のケアに関わる医療・介護職の間で、必要な情報を正確かつ適時に共有するための手段です。

一方、地域のケアマネジャーや病院の地域連携室が、まだ知らない訪問看護ステーションを相談先として認識するためには、事業所の特徴、対応エリア、相談方法などの情報が届いている必要があります。

Motherは、事業所から預かった資料を持参し、ケアマネジャー、病院の地域連携室などへ訪問して、事業所の存在と特徴を伝える地域連携営業支援です。患者情報を扱う医療連携システムの運営や、患者・利用者紹介の仲介とは役割が異なります。

「情報を届ける」と「情報を共有する」の違いを図で整理

この図は役割の違いを説明する概念図です。Motherの訪問が必ず問い合わせや利用開始につながることを示すものではありません。医療・介護情報の共有は、実際に支援に関わる専門職・事業所が、適切な権限と個人情報保護のルールに従って行います。

Motherの基本は変わらない。「数は質の元」

デジタル化が進んでも、地域の支援者に事業所を知ってもらうための活動量は重要です。Motherがまず重視するのは十分な訪問件数を確保すること。訪問を重ねることで、説明の機会が増え、どの情報が伝わりにくいのかという反応も蓄積できます。

「数は質の元」。ICTによる業務の効率化と、対面で情報を届ける活動は対立しません。むしろ、事業所の現行情報を整理し、正しい内容を多くの支援者へ伝え、必要な場面では専門職同士が適切に情報共有するという役割分担が大切です。

訪問看護ステーションの資料で確認したい5項目

以下は制度上の新たな算定要件ではなく、地域連携用パンフレット・営業資料を点検するための実務提案です。

  • 訪問エリア:市区町村名や訪問可能範囲が、実際の提供体制と一致しているか。
  • 対応できる看護:医療的ケア、精神科訪問看護、リハビリ等の対応可否を、実態に即して明記しているか。
  • 相談窓口:電話番号、受付時間、相談時に確認したい事項が分かるか。
  • 連携方法:主治医・ケアマネジャー等との連絡方法を、実際の運用に合わせて説明できるか。患者情報をPR資料へ掲載しない。
  • 情報の更新日:受入状況や提供体制が変わった際、資料とWebの両方を更新できるか。

「ICTを導入しています」という説明だけでは、支援者がどのような相談をできるか分からない場合があります。事業所の特徴と、相手にとっての判断材料を分けて書くことが、分かりやすい資料づくりにつながります。

多拠点展開では地域ごとの認知づくりも必要

複数地域に拠点を設ける法人では、ICTの共通基盤があっても、各地域のケアマネジャーや病院に新拠点の存在が伝わっているとは限りません。拠点ごとの対応エリアや相談窓口を確認し、地域へ知らせる活動が必要です。

地方展開・新規開設などで現地の地域連携営業リソースを必要とする企業には、関連サービスとして地方展開・新規開設の地域連携営業BPO「THRIVE」もあります。これは医療情報システムの提供ではなく、地域への情報伝達を支える選択肢です。

まとめ|デジタルで共有し、人が地域へ届ける

2026年10月19日の厚生労働省資料には、訪問看護のICT情報連携を介護報酬上で新たに評価する案が示されました。まだ検討段階であり、確定した制度として営業資料に記載することはできません。

ICTは、医療・介護職の間の情報共有を支えます。一方、地域の支援者に事業所を知ってもらうには、現行の対応内容を正確に届ける活動が欠かせません。「数は質の元」。十分な訪問件数を土台に正しい認知を広げることが、Motherの地域連携営業の基本です。

参考資料・情報基準日
・厚生労働省「第271回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年10月19日)
・同・資料3「訪問看護」(40~41ページ:ICT連携調査と対応案)
・資料内引用:全国訪問看護事業協会「訪問看護ステーションのICTについてのアンケート調査」(2024年)。地域連携ICTの効果に関する設問はn=2,333事業所、複数回答。
※情報基準日:2026年10月20日。制度の事実と、株式会社メディケアプロモーションの地域連携営業に関する考察を区別して記載しています。

よくある質問

訪問看護のICT連携に関する新しい加算は決まりましたか?

いいえ。2026年10月19日の資料に示されたのは「評価を設けてはどうか」という対応案です。正式な算定要件や単位数は、今後の決定と告示・通知等で確認する必要があります。

「時間短縮75.6%」は業務時間が75.6%減ったという意味ですか?

違います。2024年のアンケートで、ICTを用いた地域連携の効果として「時間の短縮」を選んだ事業所の割合です。業務時間の削減率を測定した数値ではありません。

ICTで情報共有していれば、ケアマネジャーへの訪問PRは不要ですか?

ICTによる関係者間の情報共有と、まだ事業所を知らない支援者へ存在や対応内容を知らせる活動は目的が異なります。事業所の地域での認知状況に応じて、訪問PRを検討できます。

地域連携用の資料に患者情報を載せてもよいですか?

一般的な営業資料に患者・利用者の個人情報を掲載すべきではありません。支援上必要な情報共有は、権限と個人情報保護のルールを守って関係する専門職間で行います。

Motherは問い合わせや利用者紹介を保証しますか?

いいえ。Motherは十分な訪問件数を土台に事業所の情報を地域のケアマネジャーや医療機関へ届けるPR活動です。患者・利用者紹介の仲介や問い合わせ・契約の保証は行いません。

編集担当:Mona|株式会社メディケアプロモーション

介護・障がい福祉・訪問医療の地域連携について、公的な一次資料と営業実務に関する考察を区別して発信しています。