厚労省が示した「30分未満」の訪問栄養指導の評価案

確認できる事実:厚生労働省は2026年10月19日、第271回社会保障審議会介護給付費分科会の資料5「居宅療養管理指導」を公表しました。資料の16ページには、管理栄養士が行う30分未満の栄養管理に関する情報提供・指導・助言について、新たに評価する案が示されています。

現行の管理栄養士による居宅療養管理指導では、計画的な医学的管理を行う医師の指示に基づき、栄養管理に係る情報提供・指導・助言を30分以上行うことが算定要件の一つです。今回の議論は、短時間の訪問であっても必要な支援を評価できないか、という制度上の検討です。

制度情報の重要な区別
2026年10月19日時点で示されているのは、2027年度介護報酬改定に向けた「対応案」です。30分未満の栄養指導に対する新しい報酬は決定していません。現行の算定要件を変更したものとして案内せず、今後の正式な告示・通知等を確認してください。

「40.9%」は何を示す数字なのか

同資料の14ページでは、2022年度の老人保健健康増進等事業による調査が引用されています。居宅療養管理指導の算定がない訪問指導について回答した93件のうち、訪問指導時間が30分未満だった割合は40.9%と示されました。

この調査は、居宅療養管理指導ⅠまたはⅡを算定している病院・診療所176施設を対象とした研究の一部です。40.9%は全国の管理栄養士全体の割合でも、すべての訪問栄養指導の割合でもありません。また、指導時間が短いことだけで、支援の質や利用者の状態を評価することもできません。

資料では、実際の指導内容として、食事形態、栄養補助食品の利用方法、栄養素摂取量などが挙げられています。これらは訪問栄養支援の具体像を知る手掛かりですが、個々の事業所がすべての内容に対応できるという意味ではありません。

在宅の栄養支援は「食事の相談先」を知るところから

ここからは株式会社メディケアプロモーションによる地域連携営業上の考察です。在宅療養では、食事量の低下、食事形態の調整、栄養補助食品の使い方などが、医療・介護の相談につながることがあります。どのような支援が必要かは、医師や管理栄養士等による専門的な判断が前提です。

地域のケアマネジャーや病院の地域連携室が、「どの医療機関・事業所で、どのような栄養相談に対応できるか」を把握できていれば、必要な場面で適切な窓口を確認しやすくなります。情報を届ける活動と、実際の栄養評価・医療判断は区別しなければなりません。

Motherは、制度を売り込むのではなく「現在できること」を届ける

株式会社メディケアプロモーションの地域連携営業支援Motherは、介護・障がい福祉・訪問医療の事業所から預かった資料を、地域のケアマネジャーや病院の地域連携室などに訪問して届ける活動です。原則としてアポイントや長時間の面談を前提とせず、立ち話や不在時の資料投函も含めて周知を積み重ねます。

栄養支援を提供する医療機関等であれば、管理栄養士の配置・訪問可能エリア・相談対象・医師の指示が必要なこと・連絡窓口など、確認できた現行情報を整理することが大切です。制度改定案を、すでに利用できる新サービスとして宣伝してはいけません。

地域連携営業の役割を図で整理

この図は情報伝達の概念図です。訪問による紹介・問い合わせ・利用開始を保証するものではありません。実際の栄養指導は、利用者の状態、医師の指示、事業所の提供体制、現行制度に従って判断されます。

「数は質の元」。資料が届く機会をつくる

地域連携営業の土台は、十分な訪問件数を確保することです。どれだけ分かりやすいパンフレットでも、地域の支援者に届かなければ、相談先の候補として認識されにくいからです。訪問を重ねることで、情報が届く機会が増え、現場で受けた質問から資料を改善するきっかけも生まれます。

「数は質の元」。ただし、訪問件数そのものが紹介件数を保証するわけではありません。また、特定地域のケアマネジャーから聞いた意見を全国の傾向と決めつけず、地域・時期・訪問先の種別・件数を区別して受け止めることが重要です。

ケアマネジャー向け資料で伝えたい5項目

以下は法令上の新たな要件ではなく、地域連携営業の実務提案です。実際に提供できる内容を確認した上で記載します。

  • 相談対象:食事形態の調整、食欲低下、栄養補助食品など、対応可能な相談を具体的に。
  • 提供体制:管理栄養士の対応状況、医師の指示や連携の流れを正確に。
  • 訪問範囲:対応する市区町村、曜日、訪問可能時間帯などを明確に。
  • 相談窓口:連絡先、受付時間、初回相談時に確認する事項を記載。
  • 情報の更新日:受入状況や提供内容が変わった際に資料とWebを更新。

とくに「30分未満でも新たに算定できる」といった未決定の制度内容を断定しないことが、地域の支援者からの信頼を損なわないために大切です。

複数地域での新規開設では、地域ごとに伝える情報を整える

在宅療養を支える拠点が増えても、地域の居宅介護支援事業所や病院がその拠点の対応内容を知っているとは限りません。拠点ごとに提供体制・対応範囲・窓口を確認し、地域に合わせて情報を届ける必要があります。

地方展開・新規開設に際して現地での情報伝達を支援する関連サービスとして、地方展開・新規開設の地域連携営業BPO「THRIVE」もあります。今回の主題はMotherによる地域連携営業であり、THRIVEは多拠点展開を検討する法人向けの関連案内です。

まとめ|制度は慎重に確認し、支援内容は地域へ届ける

2026年10月19日の厚生労働省資料では、管理栄養士による30分未満の訪問栄養指導を新たに評価する案が示されました。現行の算定要件が変更されたわけではありません。また、40.9%という数字は、2022年度調査の限定された回答集団に関するものです。

一方、地域連携営業で今日からできるのは、現行の支援内容を正確に整理し、十分な訪問件数を確保して、ケアマネジャー等に届けることです。「数は質の元」。制度を先取りせず、地域の支援者が必要なときに相談先を思い出せる環境をつくっていきます。

参考資料・情報基準日
・厚生労働省「第271回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年10月19日)
・同・資料5「居宅療養管理指導」(14ページ:2022年度調査の回答、16ページ:30分未満の評価案)
※情報基準日:2026年10月22日。資料に示された事実・未決定の制度案と、株式会社メディケアプロモーションの地域連携営業上の考察を区別して記載しています。

よくある質問

30分未満の訪問栄養指導が新たに算定できるようになりましたか?

いいえ。2026年10月19日に厚生労働省が示したのは2027年度介護報酬改定に向けた対応案です。正式な制度変更は決定していません。

現在の管理栄養士による居宅療養管理指導の時間要件は?

厚労省資料では、医師の指示に基づき栄養管理に係る情報提供・指導・助言を30分以上行うことが算定要件の一つとされています。個別の算定可否は現行の通知等で確認が必要です。

「40.9%」は全国の訪問栄養指導の割合ですか?

いいえ。資料に引用された2022年度調査のうち、居宅療養管理指導を算定していない訪問指導に関する回答93件で、30分未満だった割合です。全国の全訪問を示す数字ではありません。

ケアマネジャーへどんな情報を届けるとよいですか?

実際の相談対象、訪問可能エリア、医師の指示や連携の流れ、対応体制、連絡窓口、情報更新日などを、事業所ごとに確認して伝えることが実務上の提案です。

Motherは利用者紹介や問い合わせを保証しますか?

いいえ。Motherは十分な訪問件数を土台に、地域の支援者へ事業所の情報を届ける営業支援です。利用者紹介の仲介や問い合わせ・契約の保証は行いません。

編集担当:Mona|株式会社メディケアプロモーション

介護・障がい福祉・訪問医療の地域連携について、公的な一次資料と営業実務に関する考察を区別して発信しています。