10月22日の資料が示した「昼夜分離」の論点

確認できる事実:厚生労働省は2026年10月22日、第66回障害福祉報酬改定検討チームで、施設入所支援、生活介護、短期入所、療養介護に関する資料を公表しました。資料の15〜17ページでは、障害者支援施設の「日中活動の場と住まいの場の分離(昼夜分離)」が論点として示されています。

施設で暮らす人が、同じ建物内だけでなく、本人の希望や支援ニーズに応じて地域の日中活動事業所などを選べるようにすることが議論の背景です。資料は、敷地外の日中活動事業所を利用する際に、施設側が障害特性や状態像などを適切に共有する取組を報酬上で評価する方向性を示しています。

制度の状態:検討段階
これは2027年度障害福祉報酬改定に向けた検討の方向性です。敷地外の日中活動への新たな加算が確定したわけではなく、施設入所者に敷地外利用を一律に義務づける制度が決まったわけでもありません。

「建物内80.3%」は、何を数えた数字なのか

厚労省資料17ページには、令和6年度(2024年度)障害者総合福祉推進事業の調査研究に基づく、障害者支援施設の入所者の日中活動の状況が掲載されています。

集計された利用者57,346人のうち、46,041人(80.3%)は「障害者支援施設として実施している日中活動サービス」を居住する建物内で利用していました。同じ区分で、建物外・敷地内は8,081人(14.1%)、敷地外は1,137人(2.0%)です。

ただし、これらは当該調査研究で集計された利用者についての割合です。全国すべての障害者支援施設の入所者を漏れなく集計した割合と断定してはいけません。また、敷地外の活動には、同一法人の別事業所や他法人の事業所を利用する区分も別途あり、「2.0%が敷地外利用者の全体」でもありません。

昼夜分離で問われるのは「選択肢」と「情報共有」

資料から確認できる論点:厚労省資料では、本人の意思決定支援を充実させた上で、敷地外の日中活動サービスを利用する場合の評価や、入所施設と日中活動事業所との情報共有を検討しています。障害特性や必要な支援を共有しなければ、活動の場が変わるだけでは安全で継続的な支援につながりません。

地域連携営業上の考察:地域にどんな日中活動の事業所があり、誰がどのような支援を提供できるのかを、入所施設や相談支援専門員が知っていることが、選択肢を検討する前提になります。ただし、本人の希望や適切な支援の判断は、本人・家族・支援者などによる個別の意思決定支援が基本です。

Motherが届けるのは「制度の予想」ではなく現在の事業所情報

ここからは株式会社メディケアプロモーションによる実務上の提案です。株式会社メディケアプロモーションの地域連携営業支援Motherは、事業所が現在提供できるサービス内容や相談窓口を、相談支援専門員、障害者支援施設、病院地域連携室などへ届ける活動です。

制度改定が決まったかのような営業資料を配るのではなく、現在の対象者、支援内容、利用できる曜日・時間、送迎や医療的ケアへの対応、相談窓口を事業所と確認して伝える。訪問は原則アポイントを前提とせず、短い立ち話や資料投函も活用して、必要な時に思い出される状態をつくります。

地域連携営業の情報の流れを図解

これは地域での情報伝達の概念図です。Motherの訪問が利用者の地域移行や日中活動事業所への紹介・契約を保証するものではありません。制度上の利用調整や意思決定支援は関係する専門職等が担います。

相談支援専門員・入所施設へ伝えたい5項目

次の項目は新たな法令上の義務ではなく、地域連携営業における資料づくりの提案です。

  • 対象と支援内容:対応可能な障害特性、支援区分、活動プログラム、配慮事項を確認する。
  • 利用条件:利用曜日・時間、定員や受入相談の可否、送迎範囲などを明示する。
  • 医療・行動面の対応:医療的ケアや強度行動障害等への対応範囲を、確認済みの情報だけで伝える。
  • 情報共有の窓口:相談支援専門員、入所施設、本人・家族との事前調整の流れを整理する。
  • 更新日と連絡先:受入状況が変わることを前提に、資料更新日と最新情報の確認方法を載せる。

一つの施設で聞いた困りごとを、その地域全体や全国の共通課題として一般化しないことも大切です。地域ごとの実情を確かめながら情報を届けます。

「数は質の元」――必要な時に思い出される周知へ

日中活動の選択肢を地域に知ってもらうには、まず情報が届く機会が必要です。Motherが重視するのは、十分な訪問件数を土台に、正しい資料を届け、必要に応じて再訪すること。訪問は広告であり、紹介を催促する行為ではありません。

「数は質の元」。件数は地域で認知されるための前提ですが、誤った受入条件を広く配ることは逆効果です。件数と正確さを両立し、相談が必要になった時に思い出される導線を積み重ねます。

多拠点展開・新規開設では地域ごとの周知設計を

同じ法人の日中活動事業所でも、地域によって利用者のニーズ、交通手段、送迎範囲、相談支援事業所との接点は異なります。各拠点の実態を整理したうえで、周知先と資料を設計することが必要です。

地方展開・新規開設時の現地での周知活動には、関連サービスの地方展開・新規開設の地域連携営業BPO「THRIVE」もあります。この記事の主軸はMotherの地域連携営業であり、THRIVEは多拠点展開に関する補足案内です。

まとめ|制度の議論と、今日の地域連携を分けて考える

2026年10月22日の厚労省資料では、障害者支援施設の日中活動と住まいの場の分離や、敷地外の活動先との情報共有に対する評価が検討されました。制度変更は未決定です。資料の「建物内80.3%」は2024年度の調査研究で集計された利用者の割合であり、全国全数の割合ではありません。

Motherの地域連携営業が今日できるのは、現在提供できる日中活動や相談窓口を確認し、十分な訪問件数で地域へ届けること。本人の選択肢を広げるための情報が、必要な時に見つかる状態を地道につくっていきます。

参考資料・情報基準日
・厚生労働省「第66回障害福祉報酬改定検討チーム資料」(2026年10月22日)
・同資料「施設入所支援、生活介護、短期入所、療養介護に係る報酬・基準について」(15〜17ページ:昼夜分離の論点・調査結果)
※情報基準日:2026年10月24日。報酬の検討事項は決定事項ではありません。調査の割合は当該調査研究の集計対象に限ります。

よくある質問

日中活動が建物内80.3%というのは全国全数の割合ですか?

いいえ。厚生労働省資料17ページに掲載された、2024年度の調査研究で集計された利用者の割合です。建物内46,041人(80.3%)という数字を全国全数の割合と断定することはできません。

施設の外で日中活動をすることが義務になるのですか?

2026年10月22日の資料は昼夜分離に関する検討資料です。施設入所者全員に敷地外の日中活動を一律に義務づける決定が示されたわけではありません。本人の希望や個別の支援ニーズが重要です。

敷地外の事業所を利用した場合の加算は決まりましたか?

いいえ。施設と敷地外の日中活動事業所との情報共有などに対する報酬上の評価を検討する方向性が示された段階です。

地域連携の資料には何を載せればよいですか?

現在の対象者、活動内容、利用曜日・時間、送迎範囲、医療的ケア等への対応、相談窓口、情報更新日などを、事業所が確認したうえで記載することを提案します。

Motherは利用者紹介や地域移行を保証しますか?

いいえ。Motherは事業所情報を地域の支援者へ届ける営業支援です。十分な訪問件数を土台に周知しますが、利用者紹介、契約、地域移行の成立を保証するものではありません。

編集担当:Mona|株式会社メディケアプロモーション

介護・障がい福祉・訪問医療の地域連携について、公的な一次資料と営業実務に関する考察を区別して発信しています。