特別支援学校卒業後、夕方の居場所をどう支えるか

確認できる事実:厚生労働省とこども家庭庁は2026年10月22日、第66回障害福祉報酬改定検討チームで、生活介護を含む4サービスの報酬・基準に関する資料を公表しました。資料の63ページでは、特別支援学校等の卒業後に、放課後等デイサービスから生活介護などへ移行すると、夕方以降の居場所や活動内容が変わることを課題として挙げています。

学齢期には学校と放課後等デイサービス等による活動機会があります。一方、成人期の生活介護は目的や提供時間が異なり、就労している家族等から夕方の居場所について課題が示されている、と資料は説明しています。これは政策検討の背景説明であり、すべての家庭に共通する事情と断定するものではありません。

制度の決定状況に注意。
「生活介護の延長支援加算の評価拡充」「生活介護と日中一時支援事業所等との連携への新たな評価」「生活介護における生涯学習の努力義務化」は、いずれも2027年度障害福祉報酬改定に向けた検討の方向性です。2026年10月26日朝時点で、新たな単位数や要件が決定したと書くことはできません。

現在の延長支援加算と、今回の検討案は別

現行制度の事実:資料39・64ページによると、生活介護の延長支援加算は、一定の要件のもとで、サービス提供と前後の日常生活上の世話の時間を通算して9時間以上となる場合に評価されます。現行の区分は9時間以上10時間未満100単位、10時間以上11時間未満200単位、11時間以上12時間未満300単位、12時間以上400単位です。

一方、今回の資料63ページで示されたのは、卒業後の夕方の居場所のニーズ等を踏まえて、延長支援加算の評価を拡充するかどうかを検討する提案です。重度障害者への評価や、日中一時支援事業所等と連携した場合の新たな評価も検討対象であり、現行の加算要件と混同してはいけません。

「延長支援を実施10.5%」の対象を確認する

同資料66ページに掲載された2024年度障害福祉サービス等報酬改定検証調査では、延長支援を「実施している」10.5%、「実施していない」87.3%という結果が示されています。対象は回答した生活介護事業所612件であり、残りは無回答です。

この数字は調査に回答した事業所の実施状況を表すものです。全国すべての生活介護事業所の10.5%と断定したり、「延長支援加算を算定している事業所が10.5%」と言い換えたりするのは不正確です。実施の有無と加算の算定は別の質問として扱われています。

なお、資料39ページの国保連2026年4月実績には、生活介護の事業所数13,353か所、利用者数310,513人と記載されています。これは上記のアンケート回答数612件とは、集計の出所も時点も異なります。

地域連携営業では「現在できる支援」を届ける

ここからは株式会社メディケアプロモーションによる営業実務上の考察です。株式会社メディケアプロモーションのMotherは、生活介護事業所などの情報を、地域の相談支援専門員や関係機関へ届ける地域連携営業支援を行っています。

制度案の成否を予測して伝えるよりも、まずは各事業所が現時点で実際に提供できるサービスを正確に整理することが重要です。例えば、利用可能な曜日・時間帯、送迎の範囲、医療的ケアへの対応、強度行動障害のある人への支援体制、日中一時支援との連携状況、相談窓口などです。

特別支援学校卒業前後の支援は、本人・家族、学校、相談支援専門員、生活介護事業所等が状況に応じて調整します。Motherは利用者紹介を要求したり、個別の支援計画を決めたりする立場ではありません。選択肢として検討できるよう、事業所の情報を地域へ周知する役割です。

卒業後の選択肢を「知ってもらう」までの流れ

この図は地域連携営業における情報伝達の概念図です。紹介件数、利用契約、受入れの成立を保証するものではありません。事業所の受入れ可否は、本人の状態や空き状況などにより個別に判断されます。

パンフレットに載せたい5つの情報

以下は法令で新たに義務付けられた項目ではなく、Motherの実務提案です。

  • 対象者・受入条件:障害支援区分や支援内容、医療的ケア等への対応可否。
  • 提供時間・延長対応:通常の利用時間と、現に実施できる延長支援の範囲。
  • 送迎エリア:対象地域、時間帯、送迎が難しい条件と相談方法。
  • 連携先と相談窓口:相談支援専門員、学校、日中一時支援等との連絡方法。
  • 情報の更新日:現在の運用と、検討段階の制度改正案を分けて記載。

例えば「延長支援に対応」とだけ書くのではなく、何曜日の何時まで、どのような条件で相談できるのかがわかる資料のほうが、支援者が後から確認しやすくなります。

「数は質の元」――必要な時に思い出されるために

Motherが大切にする「数は質の元」は、十分な訪問件数を土台に地域への情報到達機会を増やす、という考え方です。短い立ち話や担当者不在時の資料投函も、正しい情報を届けるための活動です。訪問は広告であり、すぐの紹介を迫ることではありません。

ただし、訪問件数を増やすことと、古い資料を配り続けることは別です。制度案は未決定であると明記し、受入条件は事業所と確認した最新版を届ける。情報の正確さと訪問の量の両方が必要です。

多拠点・新規開設では地域ごとの連携設計を

同じ法人の生活介護事業所でも、送迎範囲や利用時間、医療的ケアの対応、連携先は拠点ごとに異なります。新規開設や地方展開では、地域の相談支援事業所や関係機関へ、開設準備段階から正確な情報を届ける計画が必要になります。関連サービスはページ下部の地方展開・新規開設の地域連携営業BPO「THRIVE」の案内から確認できます。

まとめ|制度案の前に、現在の受入情報を正確に

2026年10月26日朝時点で確認できるのは、10月22日の資料において、生活介護の延長支援加算の評価拡充や、日中一時支援との連携評価などが検討の方向性として示されたことです。新たな報酬単位や算定要件は決まっていません。

地域連携営業が今できるのは、生活介護事業所の現状の支援体制や相談窓口を、相談支援専門員などへ正確に届けること。Motherは「数は質の元」を土台に、必要なときに思い出される地域での認知を積み重ねます。

参考資料・情報基準日
・厚生労働省「第66回障害福祉報酬改定検討チーム」資料(2026年10月22日)
・資料「施設入所支援、生活介護、短期入所、療養介護に係る報酬・基準について」(PDF)(39ページ:サービス概況・現行加算、63〜64ページ:卒業後の移行と延長支援加算案、66ページ:2024年度調査の612回答・10.5%)
※情報基準日:2026年10月26日朝。調査結果は回答事業所に限り、2027年度報酬改定案は未決定です。

よくある質問

生活介護の延長支援加算の拡充は決まりましたか?

いいえ。2026年10月22日の第66回障害福祉報酬改定検討チームで示されたのは、2027年度報酬改定に向けた検討の方向性です。新たな要件や単位数は未決定です。

現在の生活介護の延長支援加算は何時間からですか?

資料39・64ページでは、一定の要件のもと、生活介護と前後の日常生活上の世話の時間を通算して9時間以上となる場合を評価しています。具体的な算定には届出や人員配置などの要件があります。

「延長支援10.5%」は全国の事業所の割合ですか?

いいえ。2024年度障害福祉サービス等報酬改定検証調査に回答した生活介護事業所612件における「延長支援を実施している」との回答割合です。加算の算定率でもありません。

特別支援学校卒業後に必要な情報は何ですか?

現在の受入条件、利用できる曜日と時間、送迎範囲、医療的ケア等への対応、相談窓口などです。本人・家族や相談支援専門員が個別に検討できるよう、最新情報を整えることが大切です。

Motherは生活介護の利用者紹介を保証しますか?

いいえ。Motherは事業所情報を地域へ周知する営業支援です。訪問は広告としての情報伝達であり、利用者紹介や契約成立を保証するものではありません。

編集担当:Mona|株式会社メディケアプロモーション

介護・障がい福祉・訪問医療の地域連携について、公的な一次資料と営業実務に関する考察を区別して発信しています。