2026年10月30日、共同生活援助の「大規模住居等減算」を議論
厚生労働省は2026年10月30日の第67回障害福祉報酬改定検討チームで、令和9年度(2027年度)の報酬・基準改定に向けた論点を公表しました。共同生活援助(障がい者グループホーム)については、大規模住居等の報酬上の評価が検討対象となっています。
重要なのは、今回示されたものが検討の方向性であり、減算率や適用対象の最終決定ではないことです。既存の施設や新規開設計画について、確定した制度として説明するのは避ける必要があります。
以下は2026年10月30日公表の厚労省資料に基づく整理です。2027年度の報酬改定内容が確定したという意味ではありません。最新の告示・通知・自治体の案内が公表された際に再確認してください。
資料が示す「規模」と「収支」の現状
厚労省資料では、定員8人以上の共同生活住居が2015年度の2,066住居から2024年度の6,655住居へ増加し、約3.2倍となったことが示されています。共同生活援助は、地域の中で家庭的な生活環境を確保する住まいの場という基本的な考え方があり、規模の拡大と支援の個別性の両立が論点となっています。
また、令和7年障害福祉サービス等経営概況調査の任意集計では、大規模住居等減算を算定する事業所の収支差率は8.6%、算定しない事業所は4.9%とされています。ただし、これは調査対象の集計結果であり、すべての大規模事業所の利益率や支援の質を示すものではありません。事業所規模やサービス類型などの違いに注意が必要です。
何が見直し案として示されたのか
21人以上の集約運営
個別支援と安全管理
相談支援先へ正確に周知
資料の「検討の方向性」では、次のような見直しが提案されています。
- 8人以上の共同生活住居を複数運営する事業所:運営効率を踏まえ、減算率の水準を見直すか検討する。
- 定員21人以上の大規模住居、または一体的運営で21人以上となる住居:立地や運営形態による効率化を考慮し、減算率の見直しを検討する。
- 日中サービス支援型の定員8人以上20人未満の住居:現行の減算対象ではない範囲についても、適用対象に加えるか検討する。
いずれも「検討してはどうか」という提案です。実際の減算率、対象範囲、適用開始時期は今後の議論や正式な制度公表を確認する必要があります。事業所側が取るべき行動は、現時点で減算を前提に収支を断定することではなく、自社の住居定員、立地、運営形態、支援体制を整理することです。
地域連携営業で伝えるべきは「定員」よりも受け入れの中身
ここからは株式会社メディケアプロモーションの営業実務上の考察です。相談支援専門員や自治体の障がい福祉担当者が入居先を検討するとき、住居の規模だけでは適切なマッチングを判断できません。本人の希望、障がい特性、必要な支援、生活環境、医療的ケアの可否などが重要になります。
事業所の周知資料には、少なくとも次の情報を整理することを提案します。
- 入居・空室情報:住居ごとの定員、現時点の空室状況、見学・相談窓口、更新日。
- 支援の対応範囲:日中・夜間の職員体制、必要な支援に対する対応可能範囲、医療機関との連携状況。
- 生活環境:個室や共有空間、地域での暮らし方、通所・就労先との距離、本人の生活上の選択肢。
- 対象者と相談手順:支援区分等に関する事業所の受け入れ条件、事前相談の流れ、必要な確認事項。
- 説明の正確性:2027年度改定案は未決定であることを明示し、料金・加算・減算を確定情報として案内しない。
相談支援先への周知では、入居者の病歴、障がい特性、生活歴などを個人が特定できる形で共有しないことが前提です。個別ケースの情報共有は本人の意向・同意と関係法令・運用ルールに従ってください。
Motherの役割は、紹介の保証ではなく「相談のきっかけ」をつくること
株式会社メディケアプロモーションが運営するMotherは、介護・障がい福祉・訪問医療の事業所情報を、地域の関係機関へ届ける営業支援です。障がい者グループホームの場合、相談支援事業所、行政の担当窓口、必要に応じて医療機関の退院支援部門など、実際の相談経路に合わせて情報の届け先を設計します。
大切なのは、資料を渡した回数だけを成果としないこと。相談支援専門員から「夜間は何人で対応していますか」「医療的ケアは相談できますか」「空室情報はいつ更新されますか」と質問されたなら、その声を事業所の案内内容を改善する一次情報として生かすことができます。
Motherが提供するのは利用者獲得や入居の保証ではなく、地域で必要なときに思い出してもらえる情報接点です。制度変更が議論される時期ほど、未確定の情報を煽らず、現在提供できる支援を具体的に伝える姿勢が信頼につながります。
複数住居・多拠点展開の本社が整理したいこと
複数のグループホームを運営する法人は、住居ごとの定員・類型・人員体制・支援方針を一覧化し、地域ごとに相談先と情報更新の担当者を定めると、説明のばらつきを抑えやすくなります。新規開設の検討時には、単なる空床数だけでなく、地域の相談支援体制や医療資源との接続も確認したいところです。
地方展開や新規開設に伴い、本社主導で地域周知を統一する場合には、地方展開・新規開設の地域連携営業BPO「THRIVE」も関連する選択肢です。個別事業所向けのMotherとは対象規模が異なりますが、地域の実情に合わせて情報を届けるという基本姿勢は共通しています。
まとめ|制度の数字と、地域で暮らす人の選択を分けて考える
2026年10月30日の厚労省資料は、障がい者グループホームの大規模住居等減算について、運営効率や生活環境を踏まえた見直しを検討する方向性を示したものです。2027年度の制度が確定したわけではありません。
地域連携の現場で今できるのは、制度変更を先取りして宣伝することではなく、支援体制、生活環境、受け入れ条件、相談窓口、更新日を正確に伝えること。利用者本人の希望に沿う選択肢を増やすための情報提供が、地域で信頼される事業所づくりの土台になります。
・厚生労働省「第67回 障害福祉報酬改定検討チーム」資料(2026年10月30日)
・資料「共同生活援助に係る報酬・基準」論点3・参考資料(PDF、115~121ページ付近)
・厚生労働省「第271回 介護給付費分科会」訪問看護資料(2026年10月19日)
※情報基準日:2026年10月31日。制度の公表内容と当社の営業実務上の考察を区別しています。
よくある質問
2027年度の大規模住居等減算の引き上げは決定しましたか?
いいえ。2026年10月30日に示されたのは検討の方向性です。減算率や適用範囲の確定内容は、今後の正式な告示・通知等を確認してください。
定員8人以上のグループホームは、すべて同じ減算になりますか?
いいえ。サービス類型、住居数、定員、一体的運営の状況などによって論点が異なります。今回の資料でも類型ごとに見直し案が示されています。
地域の相談支援専門員に何を伝えるとよいですか?
空室状況だけでなく、支援体制、対応できる支援内容、生活環境、相談手順、情報の更新日を整理して伝えることが有用です。個人情報の取り扱いにも注意してください。
Motherは入居者の紹介や契約を保証しますか?
いいえ。Motherは地域の関係者に事業所情報を周知し、相談のきっかけをつくる営業支援です。入居や契約の成立を保証するものではありません。
