退院支援では、退院日から初回訪問までを一続きで考える

厚生労働省は、第8次医療計画に向けた在宅医療の体制構築で、退院支援を整備する機能の一つに位置付けています。病院から在宅側へ情報を渡すときは、受け取った人が次の支援を始められるところまで確認すると、書類を送った後に残る課題が見えてきます。

日高市が2026年10月22日に更新した掲載ページでは、飯能市・日高市の入退院時連携ガイドラインを公開しています。医療機関とケアマネジャーが早い段階から情報を共有し、退院前の話し合いやサービス調整につなげるための地域の資料です。福井県の入退院支援ルールも、入院前から担当ケアマネジャーがいる場合と、いない場合に分けて、連絡の流れを示しています。

退院前カンファレンスで引き継ぐ4項目

以下は、自治体の資料を参考にしたMona編集部の実務例です。地域の様式や既存の連携記録を使い、会議の最後に次の4点を読み合わせます。

1.初回訪問の予定

訪問する事業所、日時、本人・家族への案内役をそろえます。仮予定なら、いつ確定の連絡をするかを記録します。

2.初回までに必要な支援

服薬の説明、福祉用具の搬入、訪問前に必要な支援など、本人ごとの計画に沿って誰が何を整えるかを確認します。

3.本人・家族への案内

次に来る人と日時、予定が変わったときの問い合わせ先を、本人が確認しやすい形で伝えます。体調変化時の連絡手順は、医療チームが決めた内容を共有します。

4.未確定事項の担当と期限

未確定の項目ごとに、確認する人、回答の期限、回答を受け取る人を決めます。期限までに決まらない場合に相談する相手もそろえます。

金曜退院の例|月曜の訪問が仮のとき

たとえば、金曜退院を予定していて、訪問看護の初回は月曜午前を調整中とします。まず、訪問看護の窓口が訪問枠を確認し、木曜の正午までに病院とケアマネジャーへ回答する、と決めます。本人・家族には、仮の予定であることと、確定の連絡を誰から受けるかを伝えます。

初回訪問までに支援が必要と分かった場合は、その内容を病院と在宅側で確認し、誰がいつ対応できるかを退院前に調整します。訪問枠が決まらない場合の再調整先も共有しておくと、日程変更の連絡を受けた職員が次に動けます。曜日や回答期限はこの例での取り決めです。実際の訪問時期や支援内容は、本人の状態や希望、地域の提供体制に合わせて関係者が決めます。

記録例(架空)
初回訪問:月曜午前で調整中。訪問看護の窓口が木曜正午までに病院とケアマネジャーに回答。枠が確保できなければ、病院と在宅側で初回までの支援を再調整する。

初回訪問後は、計画との差を関係者へ返す

初回訪問が済んだら、訪問できたか、退院時の計画と実際の暮らしに違いがあったか、残った調整は誰が引き取るかを、関係者に共有します。たとえば、予定していた時間に家族が同席しづらいと分かったら、本人の意向を聞き、必要に応じてケアマネジャーや訪問チームが次回の調整に反映します。

患者情報を扱う際は、医療・介護関係事業者向けの個人情報ガイダンスと所属先の手順に沿い、共有の目的、相手、必要な情報、送信経路を確認します。地域への事業所案内には、受け入れ相談の窓口や調整に必要な情報など、公開できる項目を載せます。

地域連携の案内には「退院前に何を相談できるか」を載せる

訪問看護や訪問診療の案内には、対象エリアに加え、退院日が未確定の段階で相談できる窓口や、日程が変わったときの連絡方法を添えると、病院やケアマネジャーが準備を始めやすくなります。まずは、直近の退院支援を一件振り返り、初回訪問までに確認が残った項目を、次のカンファレンスの議題に加えてみてください。

地域の連携先へ事業所の情報を届ける取り組みは、株式会社メディケアプロモーションが支援しています。医療連携室やケアマネジャーとの接点づくりには訪問営業支援のMother、複数拠点を運営する介護事業者が地域連携営業の進め方をそろえる際には地域連携営業BPOのTHRIVEをご覧ください。

編集担当:Mona|株式会社メディケアプロモーション

介護・障がい福祉・訪問医療の地域連携について、公開一次資料と営業実務の考察を分けて発信しています。