11月の発信を、仕事への理解を深める機会に

厚生労働省は、11月11日を「介護の日」、11月4日から17日までを福祉人材確保の重点期間として案内しています。介護への理解を深め、人材確保・定着を促す取組が行われる時期です。同省の「介護の日」関連ページには、令和8年度の魅力発信事業や関連イベント情報が掲載されています。

また、同省の介護人材確保に向けた取組の案内では、入門的研修、職場体験、マッチング等を組み合わせたモデル事業と事例集が紹介されています。関心を持った人が現場を理解し、次の行動へ進めるようにする視点は、各事業所の情報発信でも参考になります。

ここからの5項目と運用例は、Mona編集部の実務提案です。
全国一律の見学手順や、公的な採用基準を示すものではありません。事業所の実態と受け入れ体制に合わせて内容を決めてください。

1.仕事内容は「一日の流れ」と役割で伝える

「やりがいのある仕事です」という紹介に加えて、出勤から退勤までの流れを一例として示します。申し送り、利用者への支援、記録、休憩、次の担当者への引き継ぎなど、どの場面に誰が関わるかを書けば、働く姿を想像しやすくなります。事業所や勤務帯によって流れが異なることも添えましょう。

未経験者向けなら、介護職、看護職、相談員などの役割を日常の言葉で説明します。最初に担当する仕事と、資格・経験や習熟に応じて担当する仕事を分けて示すと、仕事への不安を質問に変えやすくなります。説明のために、実在する利用者の診療内容や生活歴を載せる必要はありません。

2.育成は「研修あり」の先まで説明する

求職者が知りたいのは、研修の有無に加えて、入職後にどのように仕事を覚えるかです。最初に説明する内容、同行・指導する担当者、振り返りの機会、独りで担当する前に確認することを、現在の運用に沿って整理します。担当者が休みの日に質問できる相手も、確認しておきたい点です。

例えば「経験に応じて同行し、担当者と振り返りながら業務を確認します」と書く場合には、実際の担当者と確認方法を説明できる状態にします。同行期間が個人や業務によって変わるなら、そのことを明記しましょう。まだ整っていない育成体制は、公開文で約束する前に運用を決める課題として扱います。

3.勤務は、求職者が生活と照らせる情報にする

勤務時間や休日は、応募を考える人の生活に直結します。採用ページの募集職種・雇用形態ごとに情報をそろえ、求人票や見学時の説明と食い違わないかを採用担当者が確認します。夜勤、早朝勤務、移動、オンコール等がある職種では、対象者と実際の運用を具体的に説明できるようにします。

「柔軟な働き方ができます」と掲載するなら、相談できる勤務枠と、現在は受け入れが難しい条件を確認します。残業や休暇の実績を紹介するときは、対象期間・職種・集計範囲を添えましょう。一部の職員の例を全職員に当てはまるように見せず、個別の条件は最新の募集情報と面談で確認できる導線をつくります。

4.連携とDXは、困った場面でどう役立つかを見せる

情報共有ツールや記録端末を導入していても、名称だけでは働きやすさは伝わりません。「申し送りをどこで確認するか」「記録方法に迷ったときに誰へ聞けるか」「機器が使えないときにどう連絡するか」など、使う場面と支援する人をセットで説明します。見学では架空のデータを使い、操作の流れを紹介する方法もあります。

障がい福祉の事業所なら、本人の意向を確認し、支援の進め方をチームで相談する場面などを、自分たちのサービスに合わせて紹介できます。訪問看護等の職場では、移動中の連絡、訪問後の報告、判断に迷ったときの相談方法を説明すると、施設内の仕事との違いが伝わります。単独訪問を始める条件などは、その事業所の確認済みの運用として説明しましょう。

5.見学案内は、申し込み前の疑問に答える

採用ページには、見学で確認できる内容、所要時間の目安、場所・集合方法、持ち物、申込先、返答の目安をまとめます。例えば「仕事内容の説明、見学できる場所の案内、職員への質問」と書けば、申し込み後の流れが分かります。見学可能な日時や職種は、担当者が対応できる範囲に設定してください。

選考との関係も明確にします。見学だけの相談を受け付けるなら、その旨を記載します。利用者の生活空間や訪問先を見学する場合には、本人等の意向やプライバシーへの配慮、事業所内の手続きを踏まえて受け入れ範囲を決めます。職員との面談や、利用者が映らない環境・教材での説明など、現場への負担を抑えた方法も検討できます。

公開前に確認すること

5項目の内容が現場の運用と一致し、募集情報・求人票・見学説明でそろっているか。

公開後に確認すること

見学希望への返答が届いているか。よく聞かれる質問を案内文へ反映できているか。

架空例|「未経験歓迎」を、質問できる案内へ変える

次は、架空の通所介護事業所を想定した案内例です。実在する事業所の募集内容ではありません。

職場見学の案内例
介護の仕事に関心のある方へ、一日の流れと入職後の学び方をご説明します。見学は約30分を予定し、業務説明と職員への質問の時間を設けます。見学のみのご相談も受け付けています。希望日時をお知らせください。日程と見学できる範囲は、担当者からご案内します。

この案内を使う前に、30分を確保できるか、説明する職員を決められるか、見学のみの相談に対応できるかを確認します。公開後に「初日は何をしますか」という質問が多ければ、入職初日の説明を追加します。「やさしい職場」といった評価語を増やすより、確かめられる情報を一つ増やすことから始められます。

生成AIは、確認済みの内容を読みやすく整える補助に

採用担当者と現場責任者が確認した公開可能な説明をもとに、生成AIで見出しや短いSNS文の下書きをつくる方法もあります。編集部の提案としては、「元の情報にない条件や実績を足さない」「不明点は確認事項として残す」と指示し、勤務条件や研修内容が変わっていないかを人が確認する運用が考えられます。

利用者・職員・応募者の個人情報や、公開していない内部記録を下書き用の素材にせず、組織で認めた利用方法に従います。文章を整えた後は、申込先のリンクや電話番号も確認しましょう。読みやすい案内ができても、問い合わせに返答できる担当者が決まっていなければ、見学の機会を逃してしまいます。

見学で得た質問を、採用と地域広報の改善へ戻す

見学希望数、返答までの時間、実施数に加え、参加者が「分かったこと」「まだ不安なこと」を確認します。少人数の結果は人数と期間を添えて扱い、採用や定着への効果をすぐに断定しないことが大切です。質問が集中した項目を次回の説明や採用ページへ戻すと、発信と現場の改善がつながります。

こうした発信の見直しは、地域の関係者へ事業所の役割を伝える際にも役立ちます。採用の窓口と利用相談の窓口をそれぞれ分かりやすく案内し、対象に応じた情報を届けましょう。株式会社メディケアプロモーションは、介護・障がい福祉・訪問医療領域の地域連携営業を支援しています。地域への訪問活動を通じた営業支援はMother、複数拠点・多エリアの地域連携営業BPOはTHRIVEでご案内しています。

介護の日をきっかけに、まずは現場の担当者と5項目を確認してみてください。働く姿と相談できる仕組みが見える案内を整えることが、仕事への理解を深める一歩になります。

参考資料・情報基準日
・厚生労働省「介護の日・福祉人材確保重点実施期間」(令和8年度関連情報を確認)
・厚生労働省「介護人材確保に向けた取組について」(重点期間、入門的研修・職場体験等の案内)
※※2026年11月8日時点の公開情報を確認して編集しています。5項目、AIの利用方法、案内文、振り返り方法は編集部の提案です。募集や見学の実施条件は各事業所で確認してください。
編集担当:Mona|株式会社メディケアプロモーション

介護・障がい福祉・訪問医療の地域連携について、公開一次資料と営業実務の考察を分けて発信しています。