定期巡回は「知っている」だけでは使われない
2027年度介護報酬改定に向け、厚生労働省の介護給付費分科会で「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」が検討テーマとなりました。制度そのものを知っていても、「どんな利用者に、どのように使えるのか」まで具体的に伝わっているでしょうか。制度改定の議論から、定期巡回に必要な地域広報の役割を考えます。
2027年度介護報酬改定で「定期巡回」が議論のテーマに
厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会では、2027年度介護報酬改定に向けた検討テーマとして「定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護」が取り上げられています。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護を一体的または密接に連携して提供し、定期的な訪問だけでなく、必要な時には随時対応を行うサービスです。
利用者は増えている。それでも地域差は大きい
厚生労働省の資料では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利用は増加傾向にある一方、地域によって提供状況に差があることが示されています。
必要性が高まっていても、「地域で実際に使えるサービスとして定着しているか」という点では差が残っています。
「制度を知っている」と「使い方が分かる」は違う
地域への営業活動では、定期巡回という名称自体は知っていても、具体的な利用場面まで十分に理解されていないケースがあります。
サービス名を説明するだけでは紹介につながらない
介護サービスの営業では、「私たちは定期巡回をやっています」と伝えるだけで終わってしまうことがあります。
しかし、ケアマネジャーが知りたいのはサービス名だけではありません。「この利用者に使えるのか」「今困っているケースをどう支援できるのか」「既存の訪問介護や訪問看護と何が違うのか」といった具体的な判断材料です。
制度説明だけではなく、利用場面まで落とし込んで初めて、地域の支援者にとって「使える情報」になります。
地域広報で伝えるべきなのは「制度」より「利用イメージ」
ケアマネジャーにとっての「メリット」まで伝える
利用者にとってのメリットだけを伝えても十分とは言えません。実際にサービスを提案し、ケアプランを組み、関係事業所を調整するのはケアマネジャーです。
「利用者が24時間安心して暮らせる」という説明に加えて、「状態変化を共有しやすい」「複数回の支援を一体的に調整しやすい」「困った時に相談できる」といった支援者側のメリットも具体的に伝えることが重要です。
制度改定期は、地域への「再周知」の機会になる
介護報酬改定の議論が始まると、事業者は報酬単位や人員基準、加算などに意識が向きます。もちろん制度対応は重要です。
一方で、地域のケアマネジャーにとって必要なのは、「この事業所をどう使えるのか」という情報です。制度改定を社内対応だけで終わらせず、自分たちのサービス内容や対応力を整理し直し、地域へ伝え直す機会として活用することも重要です。
まとめ|良いサービスを「使える情報」に変える
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、在宅生活を24時間支えるために重要なサービスです。しかし、制度が存在しているだけでは、必要な利用者には届きません。
「どんな人に使えるのか」「どんな時に相談すればよいのか」「地域のこの事業所なら何ができるのか」。
こうした情報をケアマネジャーや地域の支援者へ継続的に届けることが必要です。
売り込むのではなく、良いサービスを地域で「使える情報」に変える。その役割こそ、これからの介護事業者に求められる地域広報ではないでしょうか。
※2026年8月12日時点の公開資料をもとに編集しています。