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2026.08.12介護・地域連携読了約8分

定期巡回は「知っている」だけでは使われない

2027年度介護報酬改定に向け、厚生労働省の介護給付費分科会で「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」が検討テーマとなりました。制度そのものを知っていても、「どんな利用者に、どのように使えるのか」まで具体的に伝わっているでしょうか。制度改定の議論から、定期巡回に必要な地域広報の役割を考えます。

2027年度介護報酬改定で「定期巡回」が議論のテーマに

厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会では、2027年度介護報酬改定に向けた検討テーマとして「定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護」が取り上げられています。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護を一体的または密接に連携して提供し、定期的な訪問だけでなく、必要な時には随時対応を行うサービスです。

制度の目的は、重度の要介護高齢者を含め、在宅生活を24時間支えること。単なる「短時間の訪問介護」ではなく、介護と看護を組み合わせながら在宅生活そのものを支える仕組みです。

利用者は増えている。それでも地域差は大きい

厚生労働省の資料では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利用は増加傾向にある一方、地域によって提供状況に差があることが示されています。

必要性が高まっていても、「地域で実際に使えるサービスとして定着しているか」という点では差が残っています。

「制度を知っている」と「使い方が分かる」は違う

地域への営業活動では、定期巡回という名称自体は知っていても、具体的な利用場面まで十分に理解されていないケースがあります。

どんな人に向いている?一日に複数回の介助が必要な方、独居や老老介護、重度化しても在宅生活を続けたい方など、具体的な利用像を示す。
普通の訪問介護との違いは?決められた時間の訪問だけでなく、随時対応や看護との連携を含めて支える点を分かりやすく伝える。
夜中も対応できる?24時間の連絡・対応体制という特徴を、実際の利用場面と一緒に説明する。
ケアマネにとっては?利用者の状態変化や複数の支援をどう連携して支えられるかまで具体化する。

サービス名を説明するだけでは紹介につながらない

介護サービスの営業では、「私たちは定期巡回をやっています」と伝えるだけで終わってしまうことがあります。

しかし、ケアマネジャーが知りたいのはサービス名だけではありません。「この利用者に使えるのか」「今困っているケースをどう支援できるのか」「既存の訪問介護や訪問看護と何が違うのか」といった具体的な判断材料です。

制度説明だけではなく、利用場面まで落とし込んで初めて、地域の支援者にとって「使える情報」になります。

地域広報で伝えるべきなのは「制度」より「利用イメージ」

利用者像独居、老老介護、退院直後、認知症、夜間不安、服薬や排泄など複数回支援が必要なケースを示す。
一日の支援イメージ朝の更衣、昼の水分補給、夕方の食事介助、夜間の随時対応など、生活場面で説明する。
相談できるタイミング施設入所しかないと考える前や、訪問介護の回数だけでは支えにくくなった時など、相談のきっかけを伝える。
地域での対応力対応エリア、看護との連携方法、緊急時対応、受け入れ状況など、事業所固有の情報を届ける。

ケアマネジャーにとっての「メリット」まで伝える

利用者にとってのメリットだけを伝えても十分とは言えません。実際にサービスを提案し、ケアプランを組み、関係事業所を調整するのはケアマネジャーです。

「利用者が24時間安心して暮らせる」という説明に加えて、「状態変化を共有しやすい」「複数回の支援を一体的に調整しやすい」「困った時に相談できる」といった支援者側のメリットも具体的に伝えることが重要です。

営業で伝えるべきなのは「このサービスは良いです」ではなく、「このケースなら、こう使うと利用者とケアマネ双方を支えられます」という具体的な利用価値です。

制度改定期は、地域への「再周知」の機会になる

介護報酬改定の議論が始まると、事業者は報酬単位や人員基準、加算などに意識が向きます。もちろん制度対応は重要です。

一方で、地域のケアマネジャーにとって必要なのは、「この事業所をどう使えるのか」という情報です。制度改定を社内対応だけで終わらせず、自分たちのサービス内容や対応力を整理し直し、地域へ伝え直す機会として活用することも重要です。

まとめ|良いサービスを「使える情報」に変える

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、在宅生活を24時間支えるために重要なサービスです。しかし、制度が存在しているだけでは、必要な利用者には届きません。

「どんな人に使えるのか」「どんな時に相談すればよいのか」「地域のこの事業所なら何ができるのか」。

こうした情報をケアマネジャーや地域の支援者へ継続的に届けることが必要です。

売り込むのではなく、良いサービスを地域で「使える情報」に変える。その役割こそ、これからの介護事業者に求められる地域広報ではないでしょうか。

参考資料

※2026年8月12日時点の公開資料をもとに編集しています。

編集担当:Mona
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