制度は「分野ごと」から「生活課題ごと」へ動き始めている
厚生労働省が公表した「社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)の概要」では、人口減少や高齢化が進む小規模市町村で、介護・障がい・こども・生活困窮などの分野ごとに対応する人材を確保することが難しくなっている現状が示されています。
その対応として、相談支援、地域づくり、地域と福祉支援体制の協働を一体的に進め、分野を超えて柔軟に人を配置できる仕組みを整える方向が打ち出されました。原則施行日は2027年4月1日です。
利用者は「介護だけ」「障がいだけ」で困っているわけではない
地域連携の営業先も「サービス種別」だけで考えない
これまで介護事業所の営業といえばケアマネジャー、障がい福祉なら相談支援専門員、訪問医療なら病院や居宅介護支援事業所、とサービス種別ごとに訪問先を設定する考え方が一般的でした。もちろん、これは今後も基本です。
ただし、制度が分野横断へ向かうほど、営業・地域連携でも「誰が紹介元か」だけではなく、どんな生活課題を持つ人と接点があるのかを見る必要があります。
Motherが見るべきなのは「紹介先」ではなく「地域の接点」
地域連携活動で重要なのは、その事業所が支援できる利用者に、誰が日常的に接しているかを考えることです。
たとえば、精神疾患のある利用者に対応できる訪問看護なら、居宅介護支援事業所だけでなく、相談支援事業所、精神科病院、就労支援、グループホームなどにも接点があります。障がい福祉サービスでも、高齢化した利用者や家族への対応が増えれば、介護側との接点が生まれます。
情報も分野横断で届ける必要がある
訪問先を広げるだけでは十分ではありません。伝える情報も、相手の立場に合わせて変える必要があります。
ケアマネジャーには「介護との接点」、MSWには「退院支援や医療連携」、相談支援専門員には「障がい特性や生活課題への対応」といったように、同じ事業所でも相手ごとに価値の見え方は異なります。
これからの地域広報では、同じ強みを、相手が使える文脈に翻訳することが重要になります。
まとめ|地域連携は「業種別営業」から一段進む
令和8年の社会福祉法等改正では、介護・障がい・こども・生活困窮などを分野横断で支える方向が示されました。
利用者の生活は、制度ごとに分かれていません。
だから地域連携も、サービス種別だけで線を引くのではなく、利用者の生活課題を起点に関係機関をつないでいく。その視点が、これからさらに重要になると考えます。
※2026年8月16日時点の公開資料をもとに編集しています。
