協力医療機関の確保状況が、具体的な数字で見えてきた

第264回社会保障審議会介護給付費分科会で公表された資料によると、令和6年度介護報酬改定で求められた要件を満たす協力医療機関を定めている割合は、介護老人福祉施設で67.9%、介護老人保健施設で83.3%、介護医療院で84.9%、養護老人ホームで60.4%でした。

前年値と比べると、いずれも上昇しています。ただし、介護老人福祉施設では約3分の1がまだ要件を満たす協力医療機関を確保できていない計算になります。

特養 67.9%要件を満たす協力医療機関を確保
老健 83.3%連携体制は進展
介護医療院 84.9%最も高い水準

2027年3月31日までの経過措置が迫る

介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院などでは、一定の要件を満たす協力医療機関を定めることが義務付けられ、2027年3月31日まで3年間の経過措置が設けられています。

求められるのは、入所者の急変時に医師または看護職が常時相談に応じられること、必要な診療を常時行えること、さらに一部施設では入院が必要と判断された場合に原則として受け入れる体制を確保することです。

協力医療機関は「名前だけの提携先」ではなく、急変時に実際に動ける連携体制であることが求められています。

厚労省は「医療機関のリスト提供」と「マッチング」を要請

今回の資料で、Motherの地域連携支援と特に重なるのが自治体への要請です。厚生労働省は、連携先が見つからない施設への支援として、地域の医療機関リストを提供することや、在宅医療・介護連携推進事業、在宅医療に必要な連携を担う拠点などを活用して、高齢者施設と協力医療機関のマッチングを行うことを挙げています。

つまり、制度上の課題は「各施設が自力で医療機関を探してください」という段階から、地域単位で施設と医療機関を結ぶ段階へ移っています。

地域連携営業は、まさにこの「間」をつなぐ仕事

介護施設側は、医療機関を探したくても、どの診療所・病院が施設連携に対応できるのか分からないことがあります。一方、訪問診療や在宅医療側も、地域のどの施設が医療連携を必要としているのかを網羅的に把握できているとは限りません。

この両者の間には、情報の非対称があります。

高齢者施設協力医療機関を探している
地域連携ニーズと対応力を可視化
在宅医療機関施設との連携機会を把握

訪問診療側にとっても、新しい営業先の見方になる

訪問診療の営業先というと、居宅介護支援事業所や病院の地域連携室が中心になりがちです。しかし今回の制度動向を見ると、高齢者施設そのものが「医療連携先を必要としている顧客」になっています。

特に、常時相談、急変時診療、必要時の入院調整などに対応できる医療機関にとっては、自院の対応力を施設へ正しく伝えることが、新しい地域連携の入口になります。

施設側が医療機関へ伝えるべき情報も整理が必要

マッチングを成立させるには、医療機関側の対応力だけでなく、施設側の状況も明確にする必要があります。

  • 入所定員と現在の入所者像
  • 夜間の看護職配置
  • 医療処置が必要な入所者の状況
  • 急変時の既存フロー
  • 看取り対応の有無
  • 現在の協力医療機関と不足している機能

単に「協力医療機関を探しています」ではなく、どの機能を必要としているのかを具体化することで、連携先を探しやすくなります。

営業先リストから「地域連携マップ」へ

この動きは、営業支援会社にとっても示唆があります。施設名と電話番号だけを並べた営業リストではなく、地域の介護施設、在宅医療機関、病院、訪問看護、居宅介護支援事業所などをつなぎ、それぞれの役割やニーズを把握した「地域連携マップ」が必要になります。

Motherが現場で行っている訪問活動も、単なるパンフレット配布ではなく、地域の誰が何に困っているのかを集める活動として捉えると、制度の方向とより強く重なります。

営業は「紹介してください」とお願いする活動から、「地域で不足している連携を見つけ、必要な情報をつなぐ活動」へ。今回の資料は、その変化を制度側から裏付ける内容です。

まとめ|2027年3月までの1年余りは、地域連携の空白を埋める期間

要件を満たす協力医療機関を定めている割合は着実に上昇していますが、すべての施設で連携体制が整ったわけではありません。

厚生労働省自身が、医療機関リストの提供や施設と医療機関のマッチングを自治体へ求めています。

これは、地域連携そのものが制度上の「実務」になってきたということです。

介護施設、在宅医療、訪問看護、病院、ケアマネジャー。それぞれを点として営業するのではなく、地域の中で線につなぐ。これからの営業支援には、そんな役割がさらに求められると考えます。

よくある質問

協力医療機関の経過措置はいつまでですか?

介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院などに設けられた経過措置は、2027年3月31日までとされています。

協力医療機関はどのような体制が必要ですか?

急変時の常時相談体制、必要時の常時診療体制などが求められます。施設種別によっては、入院が必要な入所者を原則として受け入れる体制も要件となります。

地域連携営業と今回の制度はどう関係しますか?

厚生労働省は、地域の医療機関リストの提供や高齢者施設と協力医療機関のマッチングを支援策として示しています。施設と医療機関のニーズ・対応力を把握してつなぐ活動は、地域連携営業と非常に近い役割です。

株式会社メディケアプロモーション編集部

介護・障がい福祉・訪問医療の営業支援現場で得た知見をもとに、地域連携、営業、広報、AI活用に関する情報を発信しています。

編集担当:Mona