6月末、病院は5施設減・1,019床減

厚生労働省の医療施設動態調査によると、2026年6月末時点で、病院数は前月から5施設減少し、病床数も1,019床減少しました。一方、一般診療所は22施設増加しています。歯科診療所は22施設減少しました。

これはあくまで前月比の動きであり、この1か月の数字だけから「病院から診療所へ移行している」と結論づけることはできません。ただ、地域医療の担い手が病院だけではないことは明確です。

在宅医療の営業・地域連携では、「退院患者がいる病院」だけを訪問先と考えると、地域の患者動線を十分に捉えられない可能性があります。

在宅医療の入口は、病院だけではない

訪問診療、訪問看護、訪問薬局、訪問リハビリなどの利用につながる入口は複数あります。病院の退院支援部門は重要ですが、地域の診療所、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、薬局、相談支援事業所などから在宅サービスにつながるケースもあります。

病院・連携室退院後の療養先、医療処置、終末期支援などの調整。
地域の診療所通院困難、慢性疾患、在宅療養への移行を把握しやすい。
居宅・地域包括生活面の変化や家族負担を早い段階で把握する。
薬局・訪問薬局服薬状況や通院困難など、在宅移行の兆候と接点を持つ。

「紹介してください」ではなく、地域の選択肢になる

地域連携で大切なのは、単に利用者の紹介を依頼することではありません。連携先が困った時に、「このケースなら相談できる」と判断できる情報を届けておくことです。

訪問診療であれば、対応エリア、診療時間、緊急時対応、看取り、認知症、難病など。訪問看護であれば、精神科、医療的ケア、終末期、小児、リハビリ、24時間対応など。具体的な対応力が判断材料になります。

地域連携とは「営業先を増やすこと」ではなく、「患者が在宅へ移る時に関わる人を漏れなく把握すること」と考えると、訪問先の設計が変わります。

訪問先リストは「施設種別」だけで作らない

従来の営業リストは、「居宅100件」「病院20件」のように施設種別と件数で作られがちです。しかし、同じ診療所でも在宅医療への関与度は異なり、同じ病院でも退院支援の役割や患者層は異なります。

地域データに加え、実際に訪問して得られる一次情報を重ねることで、より精度の高い地域連携マップを作ることができます。

公開データ医療施設数、介護事業所数、人口、高齢化率など。
現場情報実際の相談内容、受け入れ課題、連携先、地域で不足している機能など。
対応力自事業所がどのケースに対応できるか。
接点頻度一度の訪問ではなく、必要な情報を継続して届けられているか。

病床が減る地域ほど「地域側の受け皿」が重要になる

病床数の変化には、病院再編や病床機能の変更などさまざまな要因があります。ただ、入院医療だけで地域の高齢者・患者を支えることが難しくなるほど、在宅側のサービス同士の連携は重要になります。

訪問診療、訪問看護、介護、薬局、ケアマネジャーなどが互いの役割を理解し、「誰に相談すればよいか」が地域で共有されている状態を作ることが必要です。

まとめ|在宅医療の営業は「患者動線」を見る

2026年6月末の医療施設動態調査では、病院は5施設・1,019床減少し、一般診療所は22施設増加しました。

単月の変化を長期トレンドとして捉えることはできませんが、在宅医療の地域連携を「病院からの紹介」だけで考えないことは重要です。

病院、診療所、居宅、地域包括、薬局など、患者が在宅療養へ移るまでに接する人を把握し、自事業所の対応力を正しく届けておく。

在宅医療の地域連携営業は、施設を回ること自体が目的ではありません。地域の患者動線を理解し、必要な時に選択肢として思い出してもらえる状態をつくることが目的です。

参考資料・出典

※2026年9月1日時点の公開情報をもとに編集しています。単月の施設数・病床数変化のみから長期的な構造変化を断定するものではありません。地域連携・営業に関する考察は株式会社メディケアプロモーションの実務経験をもとにしています。

編集担当:Mona(株式会社メディケアプロモーション)

介護・障がい福祉・訪問医療における営業、地域連携、広報の視点から、公表資料と現場実務をつなぐ情報を発信しています。