地域連携は「パンフレットを届けること」だけではない
在宅医療、訪問看護、介護サービスの広報では、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、病院の地域連携室などを訪問し、自事業所の情報を伝える活動が基本になります。一方、地域に根付くには、相手を知り、互いの専門性を理解する接点も必要です。
北摂で続く「みそら塾」
医療法人みそらグループは、大阪北摂地域の医療・介護従事者が法人や職種を越えて学び、交流する「みそら塾」を継続開催しています。2026年9月25日の第6回では、在宅医療におけるACPと精神科看護の経験を生かした信頼構築がテーマです。
なぜ「顔が分かる」ことが在宅医療では重要なのか
在宅療養では、訪問診療、訪問看護、ケアマネジャー、訪問介護、薬局、歯科、リハビリ、病院など多くの専門職が関わります。平時から顔を合わせ、相手の専門性や考え方を知っていることは、急変、退院支援、看取り、困難ケースで相談先を判断するときの心理的な距離を縮めます。
営業訪問と「場づくり」は役割が違う
- 訪問:対象を決め、受入条件やサービス情報を届ける
- 勉強会:専門知識や地域課題を共有する
- 交流:互いの役割や人柄を知る
- 継続接点:相談しやすい関係を育てる
どちらか一方ではなく、目的に応じて組み合わせることが重要です。
「紹介してください」ではなく、地域に役立つ理由をつくる
自事業所が持つ専門性を地域へ開くという発想があります。看取り・ACP、精神疾患のある利用者への対応、褥瘡・栄養・服薬管理、退院直後の在宅療養支援など、相手に役立つテーマを提供すれば「営業を受ける場」ではなく「地域で一緒に学ぶ場」になります。
Motherの訪問活動とも組み合わせられる
日々の訪問活動で得られる現場の声は、勉強会や情報発信のテーマを決める材料になります。訪問で聞く → 課題を整理する → 地域へ役立つ情報を返す → 再び訪問で反応を確認する。この循環をつくれば、訪問活動はパンフレット配布から地域マーケティングへ進化します。
全国展開する事業者ほど「地域ごとのテーマ」が必要
都市部と地方都市では、医療資源、介護資源、人材、患者像、紹介元が抱える課題が異なります。地域で実際に聞いた課題をもとにテーマを決めることで、その地域に必要な場を設計できます。新規地域への進出でも、開設前後から地域の専門職の声を聞き、地域に役立つ情報を返すことが地域に根付く一つの方法です。
まとめ|地域連携は「接点の設計」である
在宅医療・介護の地域連携では営業訪問は重要ですが、地域に根付く方法は訪問だけではありません。学びの場をつくり、専門職同士が話せる場をつくり、地域で困っているテーマについて情報を返す。
地域連携とは、紹介を依頼することではなく、必要なときに互いに相談できる接点を地域の中につくっていくこと。
営業訪問と場づくりを組み合わせることで、在宅医療・訪問看護の広報は、より長期的な地域浸透へつながります。
よくある質問
地域連携の勉強会は営業活動になりますか?
自社サービスの売り込みを主目的にせず、地域の専門職に役立つ知識や交流機会を提供することで、広報・地域連携活動の一つとして機能します。
営業訪問と勉強会はどちらが重要ですか?
役割が異なります。訪問は具体的な受入情報を届けるのに向き、勉強会は複数の専門職との理解・信頼を深めるのに向きます。
- みそら株式会社「医療法人みそらグループ、大阪北摂地域で多職種が学び・つながる『みそら塾』を継続開催」2026年9月17日
※2026年9月18日時点の公開情報をもとに編集しています。
