「重点支援区域」に岡山県・高梁新見が追加

厚生労働省は2026年9月18日、地域医療構想の実現に向けた「重点支援区域」に、岡山県の高梁・新見構想区域を新たに選定しました。

重点支援区域では、国が医療機関のデータ分析などの技術的支援を行うほか、地域医療介護総合確保基金の優先配分など財政面でも支援します。

今回、医療機能再編等の対象として示されたのは、新見中央病院、長谷川紀念病院、太田病院の3医療機関です。

厚生労働省によると、今回の追加前までに14道府県26区域が選定されており、重点支援区域の申請は現在も随時受け付けられています。

病院再編は「病床数」だけの問題ではない

地域医療構想では、人口構造や医療需要の変化を踏まえ、地域に必要な医療機能をどう確保するかが議論されます。病院の役割や機能が変われば、その影響は病院内だけにとどまりません。

  • どの病院が急性期を担うか
  • どこが回復期・慢性期を担うか
  • 退院患者をどこへつなぐか
  • 在宅療養を誰が支えるか
  • 急変時にどの医療機関が受けるか

つまり病院再編は、地域の患者の流れそのものを変える可能性があります。

病院機能役割を再編
患者の流れ退院・転院が変化
地域連携接続先も変わる

在宅医療・訪問看護にとっては「退院後」が重要になる

入院医療の機能分化や再編が進むほど、病院で完結しない医療を地域でどう支えるかが重要になります。退院後には、訪問診療、訪問看護、薬局、居宅介護支援、訪問介護、通所サービスなど複数の事業者が関わります。

病院の機能が変われば、退院患者の状態像や相談のタイミングも変わる可能性があります。地域の在宅事業者は「どの病院から、どんな患者が、どのタイミングで地域へ戻ってくるのか」を継続して把握する必要があります。

営業リストは一度作れば終わりではない

在宅医療や介護の営業では、病院、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなどのリストを作り、訪問先を決めることがあります。しかし地域医療の再編が進むと、単純な施設名簿だけでは不十分になります。

同じ病院名でも、地域で担う役割、退院支援の対象、連携窓口、患者の流れが変わる可能性があるからです。

地域連携先は「固定された名簿」ではなく、地域医療の変化に合わせて更新される情報として管理する必要があります。

地域連携営業で確認したい情報

  • 病院機能:急性期・回復期・慢性期など現在の役割
  • 退院支援:どの部署・専門職が地域への接続を担うか
  • 患者像:地域へ戻る患者の医療・介護ニーズ
  • 在宅資源:訪問診療・訪問看護・薬局等の供給力
  • 受入条件:地域の事業者が現在どこまで対応できるか

こうした情報が揃うと、「病院へパンフレットを届ける営業」から「地域の患者動線を踏まえた広報」へ変わります。

Motherの訪問記録は「変化」を捉える情報になる

国や自治体の資料からは、制度上の再編方針や対象医療機関を把握できます。しかし、その変化が地域の現場でどう受け止められているかまでは分かりません。

  • 最近、この病院からの退院相談が増えた
  • 医療依存度の高いケースが地域へ戻るようになった
  • 退院後すぐに入れるサービスが不足している
  • 夜間対応できる訪問看護が足りない
  • 急変時の戻り先に困っている

こうした現場の声を継続して記録すれば、制度資料だけでは見えない「地域医療の変化の一次情報」になります。

公的情報再編方針を知る
現地訪問変化を聞く
広報設計届け方を変える

新規地域へ進出する事業者ほど、地域医療構想を見る

訪問看護、在宅医療、介護施設などが新しい地域へ進出するとき、人口や競合事業所数だけで市場を見ると、地域の医療構造を見落とすことがあります。

どの病院が地域の入院医療を担い、どこから患者が在宅へ戻り、誰が退院支援を担っているのか。この構造を把握すると、開設後に訪問すべき相手や、地域へ伝えるべき自社の機能が具体的になります。

新規地域連携は、開設後に名刺を配り始めることではなく、地域の医療・介護構造を理解するところから始まります。

「地域に根付く」は、地域の変化についていくこと

地域に根付くという言葉は、単に長く営業することを意味しません。人口構成が変わる。病院の機能が変わる。介護事業所の受入状況が変わる。専門職が入れ替わる。地域は常に変化しています。

その変化を継続して把握し、自社が地域へ伝える情報や連携先を更新することが、本当の意味で地域に根付くための活動になります。

まとめ|地域連携の地図は、更新し続ける必要がある

厚生労働省は9月18日、地域医療構想の重点支援区域に岡山県の高梁・新見構想区域を追加しました。病院機能の再編が進めば、退院・転院、在宅療養、急変時対応など、地域の患者の流れも変化する可能性があります。

在宅医療・介護事業者にとって重要なのは、病院名を営業リストへ登録することだけではありません。

その病院が今、地域で何を担い、患者がどこへ流れ、地域で何が不足しているのかを知ること。

公的な制度情報と現場訪問で得た一次情報を重ね、地域連携の地図を更新し続ける。この視点が、これからの地域連携営業には必要です。

よくある質問

重点支援区域とは何ですか?

地域医療構想の実現に向けて、国が医療機関に関するデータ分析などの技術的支援や、地域医療介護総合確保基金の優先配分などを行う区域です。

今回新たに選定された地域はどこですか?

岡山県の高梁・新見構想区域です。医療機能再編等の対象として、新見中央病院、長谷川紀念病院、太田病院の3医療機関が示されています。

病院再編と在宅医療の営業はどう関係しますか?

病院機能が変わると、退院患者の状態像や患者の流れ、地域で必要になる在宅サービスが変わる可能性があります。各病院の現在の役割や退院支援機能を把握することが重要です。

参考資料・出典
  • 厚生労働省「地域医療構想の実現に向けた重点支援区域の選定を行いました」2026年9月18日

※2026年9月19日時点の公開情報をもとに編集しています。

株式会社メディケアプロモーション編集部

介護・障がい福祉・訪問医療の営業支援現場で得た知見をもとに、地域連携、営業、広報、AI活用に関する情報を発信しています。

編集担当:Mona