9月24日、訪問系サービスの具体的な論点が公表
厚生労働省は2026年9月24日、第63回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」を開催し、2027年度障害福祉報酬改定に向けた訪問系サービスの論点を示しました。
対象は、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援などです。横断的な論点として、①ピアサポートの専門性の評価、②サービス提供に伴い必要不可欠な自動車による移動の評価、の2点が示されています。
公共交通が少ない地域では「移動」がサービス提供を左右する
現行では、ヘルパーが自動車を運転して利用者を移送している時間は、身体介護等を行えないため、訪問系サービスの報酬算定対象にはなりません。
一方、厚生労働省の資料では、特に公共交通機関が少ない地域では、同行援護で買い物支援等を行う際、支援場所までヘルパーが運転する自動車で移動することが必要になるケースがあると整理されています。運転中を算定できないことが、事業所の安定的な運営に支障を与えているとの声も示されました。
これを踏まえ、サービス提供に伴い必要不可欠となる自動車移動について評価することが検討されています。
同じサービスでも、地域によって「提供しやすさ」が違う
今回の論点は、地域連携営業にも重要な示唆があります。全国共通のサービス種別・報酬体系であっても、実際の提供条件は地域によって同じではありません。
都市部では徒歩や公共交通で移動できるケースでも、地方部では自動車が不可欠なことがあります。移動距離、交通網、事業所の配置、人材確保の状況によって、同じ「同行援護」「居宅介護」でも事業者が対応できる範囲は変わります。
営業資料の「対応エリア」だけでは足りない
障害福祉事業者の営業資料では、「○○市対応」「半径○km対応」といったエリア情報を掲載することがあります。しかし地域の相談支援専門員が知りたいのは、地図上の範囲だけではありません。
- どの地域まで実際に訪問できるのか
- 曜日・時間帯によって対応範囲は変わるのか
- 移動を伴う支援にどこまで対応できるのか
- 遠距離地域でも相談できるケースはあるのか
- 現在、どのようなケースなら受け入れを相談できるのか
こうした「実際に相談できる条件」を具体的に伝えることが、地域連携では重要です。
Motherの訪問で「地域差」を拾う
株式会社メディケアプロモーションのMotherは、介護・障がい福祉・訪問医療の事業者に代わり、相談支援専門員、ケアマネジャー、病院のMSW・PSWなどへクライアントの情報を届ける地域連携・広報PR支援です。
Motherは利用者・患者の紹介や仲介を行うサービスではありません。地域の支援者にクライアントの機能を知ってもらい、必要なときにクライアントへ直接問い合わせてもらえる認知と接点をつくります。
全国で活動する場合に重要なのは、同じパンフレットを同じように配ることではなく、訪問先から出てくる質問や反応の違いを記録することです。
「この地域では移動が壁になる」を一次情報として残す
今回の厚生労働省資料が示しているのは、公共交通の少なさという地域条件が、障害福祉サービスの提供そのものに影響し得るということです。
Motherの訪問でも、「このエリアは移動距離が長い」「夕方以降に対応できる事業所が少ない」「この地域から相談できる事業所が見つかりにくい」といった声が聞かれた場合、単なる雑談で終わらせず、時期・地域・相手の職種とともに記録する価値があります。
ピアサポートも訪問系サービスで評価を検討
もう一つの横断論点は、ピアサポートの専門性です。厚生労働省資料では、障害者ピアサポート研修の修了者は2026年4月30日時点で延べ11,408人とされています。
現在、訪問系サービスはピアサポート関連加算の対象ではありませんが、在宅で一人暮らしをする障害者等への支援で、当事者と同じ目線から相談・助言を行う意義を踏まえ、訪問系サービスでも専門性を評価することが検討されています。
これもまだ決定事項ではありません。今後の議論を継続して確認する必要があります。
制度変更を「営業トーク」にする前に現場を確認する
報酬改定の検討資料が出ると、「今後こうなります」と早く営業材料にしたくなるかもしれません。しかし検討段階の情報を決定事項として伝えるべきではありません。
むしろ今やるべきなのは、現在のサービス提供条件を整理し、相談支援専門員が地域でどんな調整に困っているのかを聞き、改定後に説明内容を更新できる準備をしておくことです。
地方展開では「地域条件」を現地で確認する
複数地域へ事業を展開する場合、人口や事業所数だけでなく、交通事情、支援資源、相談経路などの地域条件もサービス提供に影響します。本部の市場データだけでは把握しにくい情報を、現地で確認する工程が必要です。
株式会社メディケアプロモーションでは、地方都市への進出・新規開設時に不足しやすい現地の地域連携営業リソースを補うBPOとして「THRIVE」も展開しています。
地方展開・新規開設の地域連携営業BPO「THRIVE」について詳しく見る
まとめ|「地域差」は制度資料と現場の両方から見る
2027年度障害福祉報酬改定に向けた訪問系サービスの議論では、公共交通機関が少ない地域における自動車移動の負担が具体的な論点として示されました。
これは、全国共通の制度であっても、サービス提供の現実は地域ごとに異なることを示しています。
制度資料で全国の論点を把握し、現地訪問で地域の実情を確認する。そして、その差を一次情報として蓄積する。地域連携営業を単なる広報活動で終わらせないために、今後さらに重要になる視点です。
よくある質問
自動車での移動時間が2027年度から報酬算定されることは決まったのですか?
いいえ。2026年9月24日の検討資料では、公共交通機関が少ない地域等でサービス提供に必要不可欠な自動車移動について「評価することを検討してはどうか」と示された段階です。最終的な改定内容は今後の議論を確認する必要があります。
地域連携営業では何を確認すべきですか?
対応エリアだけでなく、移動距離、曜日・時間帯、実際に相談可能なケース、地域で不足している支援などを確認し、地域ごとの違いを記録することが重要です。
Motherは利用者を紹介するサービスですか?
いいえ。Motherは紹介業・仲介業ではありません。地域の相談支援専門員、ケアマネジャー、医療機関等へクライアントの情報を届け、認知と地域連携を支援するサービスです。
- 厚生労働省「第63回障害福祉報酬改定検討チーム」2026年9月24日
- 同「訪問系サービスに係る報酬・基準について≪論点等≫」
※2026年9月24日時点の公開資料をもとに編集しています。資料中の「検討の方向性」は、2027年度改定の最終決定事項ではありません。
