住宅型ホームでは、必要な介護サービスを外部から選ぶ
有料老人ホームには、大きく分けて「介護付き」と「住宅型」があります。介護付きホームは施設が介護サービスを直接提供しますが、住宅型有料老人ホームでは、必要な介護サービスは外部の事業所を利用する仕組みです。
厚生労働省資料では、住宅型有料老人ホームは約2万棟、定員約63万人規模とされ、多様な介護ニーズの受け皿として重要性が高まっています。
問題になっているのが「囲い込み」
一方、住宅型ホームでは、併設・隣接する特定の事業所の利用へ限定・誘導することで、入居者が主体的にサービスを選びにくくなる「囲い込み」が課題として指摘されています。
こうした背景から、制度改正では、中重度の要介護者等が多い一定の有料老人ホームに登録制を導入するとともに、ケアマネジメントと地域生活相談を一体的に提供する「登録施設介護支援・登録施設介護予防支援」が新設されます。
ケアマネジャーには「ホームと対等な立場」が求められる
厚生労働省は、新しい登録施設介護支援について、ケアマネジャーがホームと対等な立場で、入居者本人の希望、生活課題、置かれている状況を把握し、利用者本位のケアプランを作成することを期待しています。
外部サービス事業所には「選ばれる理由」が必要になる
利用者が外部サービスを選べる環境が整えば、訪問看護、訪問介護、通所介護、訪問リハビリなどにとっては新しい機会になります。ただし、「外部サービスも利用できます」というだけでは選ばれません。
施設営業は「紹介してください」ではなく「選択肢を増やす情報提供」へ
住宅型ホームへ営業する際に、「利用者を紹介してください」とだけ伝えると、営業側の都合に見えます。これから重要になるのは、施設スタッフやケアマネジャーが、「こういう入居者なら、この外部サービスを使う価値がある」と判断できる情報を届けることです。
Motherが施設へ届けるべきなのは「サービス名」ではない
Motherが住宅型ホームやサ高住へ届ける情報も、単なるサービス案内では足りません。「訪問看護です」「デイサービスです」ではなく、その施設の入居者に対して、どんなケースで役に立つのかを具体的に伝える必要があります。
たとえば、退院直後で医療管理が必要な人、精神疾患があり生活が不安定な人、外出や交流機会が減っている人、リハビリを継続したい人。施設の入居者像と、外部事業所の強みを結びつけることが地域連携です。
報酬の在り方も次期改定の論点に
厚生労働省は、同一建物に多くの利用者がいる場合、訪問件数が増える一方で移動時間・距離が短くなる実態を踏まえ、訪問系・通所系サービスや居宅介護支援に同一建物減算を設けています。一方、人材やサービス確保が難しい地域では、高齢者住まいを地域づくりと連動させて維持する必要性もあります。
まとめ|施設の中だけで完結しない介護へ
住宅型有料老人ホームは、住まいと地域の介護サービスを組み合わせることで入居者を支える仕組みです。制度改正は、「囲い込み」を是正し、利用者本人が必要なサービスを選択できる方向へ進んでいます。
そのとき外部事業所に必要なのは、「営業力」より先に「選ばれる理由を地域へ伝える力」です。
住宅型ホームを「営業先」と見るだけでなく、「地域サービスが交わる場所」として見ることが、これからの地域連携では重要になると考えます。
※2026年8月20日時点の公開資料をもとに編集しています。地域連携・営業に関する考察は株式会社メディケアプロモーションの実務経験をもとにしています。
