介護報酬改定は「決定事項」だけを見るものではない

厚生労働省は2026年9月14日、第266回社会保障審議会介護給付費分科会を開催します。議題は2027年度介護報酬改定に向けた「関係団体等意見交換会②」です。9月10日の第265回に続く第2弾で、介護現場を代表する団体から課題や要望を聞く段階が続いています。

営業・地域連携の立場で重要なのは、「報酬が何点になるか」だけではなく、制度改定の前段階で現場が何に困っているかを知ることです。

制度議論には「次に地域が困ること」が表れる

介護給付費分科会では、これまで人材確保、生産性向上、虐待防止、災害時の業務継続、ハラスメント対策、認知症、医療・介護連携、LIFE、口腔・栄養など幅広いテーマが議論されています。

これらは制度上の論点であると同時に、地域のケアマネジャー、地域包括支援センター、病院、介護事業所が日々直面している課題でもあります。

現場の課題人材・連携・受入
制度議論評価・基準を検討
地域連携伝える情報を更新

前回の意見交換では「地域の供給力」が見えてきた

9月10日の関係団体意見交換では、訪問介護の人材不足や経営状況、地域包括支援センターから居宅介護支援事業所への介護予防ケアプラン委託など、地域でサービスを維持する難しさが示されました。

重要なのは、公開されている事業所数と、実際に新規利用者を受けられるサービス量が一致しないことです。制度資料を読むときも「全国で何事業所あるか」だけでなく、地域で実際に誰が何を受けられるのかという視点が必要です。

地域連携営業は制度を「現場の言葉」へ翻訳する

制度改定の資料をそのまま営業資料へ載せても、ケアマネジャーや病院の地域連携室にとって使いやすい情報にはなりません。「医療・介護連携を強化する」という制度上の表現も、地域では紹介判断に使える具体情報へ翻訳する必要があります。

  • 退院直後の利用者をどこまで受けられるか
  • 認知症や精神症状のあるケースへ対応できるか
  • 看取りや医療依存度の高いケースに対応できるか
  • 夜間・休日にどこまで連絡できるか
  • 訪問看護・薬局・医療機関とどう情報共有するか

Motherの訪問記録は、制度議論を検証する一次情報になる

国の資料からは全国的な傾向を把握できます。しかし、ある地域で実際に何が起きているかは、現場へ行かなければ分かりません。

  • このサービスの紹介先が減っている
  • 新規を受けてもらえない
  • この時間帯を受ける事業所がない
  • 医療ニーズの高いケースの相談先に困る
  • 制度はあるが実際には運用しにくい
国の制度資料と地域の一次情報を重ねることで、「制度上の課題」が「この地域で実際に起きている課題」へ変わります。

営業資料を更新するタイミングは「改定後」だけではない

報酬改定が確定すると、多くの事業所が料金表や加算一覧を更新します。しかし営業・広報では、その前から準備できます。関係団体ヒアリングで繰り返し挙がる課題を見ながら、自事業所の対応力を棚卸しすることで、改定後に慌てて資料を作り直す必要がなくなります。

制度を読む論点を把握
地域で聞く実態を確認
営業へ反映受入条件を更新

営業・広報担当が今から確認したい5項目

  • 受入条件:どんなケースを受けられるかを整理する
  • 地域不足:ケアマネや包括が探しにくいサービスを聞く
  • 連携機能:医療・介護・障がい福祉との接続方法を整理する
  • 人員余力:営業で需要を増やしても現場が受けられるか確認する
  • 一次情報:訪問先の声を記録し、地域ごとの変化を追う

「利用者を増やす営業」から「地域の需給を見る営業」へ

介護人材が不足し、地域によってサービス供給力に差が出る中では、単純に利用者を増やすことだけを営業目標にすると、現場とのミスマッチが起きる可能性があります。

どこに相談ニーズがあるか。どこに受入余力があるか。どの機能が不足しているか。この3点を把握して初めて、地域に必要な情報を正しく届けることができます。

まとめ|介護報酬改定の議論は、地域営業の「先行指標」になる

2027年度介護報酬改定は、まだ最終的な内容が決まった段階ではありません。だからこそ、今の関係団体ヒアリングには価値があります。現場の団体が何を問題としているのかを見ることで、これから地域で重要になるテーマを先に知ることができます。

制度を読む。地域で聞く。自事業所の対応力を確認する。そして地域へ伝える情報を変える。

介護報酬改定を「制度対応」だけで終わらせず、地域連携の先行指標として使う。これが、これからの介護・在宅分野の営業支援に必要な視点です。

よくある質問

第266回介護給付費分科会はいつ開催されますか?

2026年9月14日10時から12時までWeb会議形式で開催予定です。議題は2027年度介護報酬改定に向けた関係団体等意見交換会②です。

介護報酬改定が決まる前に営業担当が見る意味はありますか?

あります。関係団体が挙げる課題には、地域の事業所や専門職が困っているテーマが反映されるため、今後必要になる受入条件や営業情報を先読みできます。

制度情報を営業へどう生かせばよいですか?

制度用語をそのまま伝えるのではなく、自事業所が具体的にどのケースへ対応できるか、どんな連携ができるかという紹介判断に使える情報へ翻訳することが重要です。

参考資料・出典
  • 厚生労働省「第266回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)を開催します」2026年9月11日
  • 厚生労働省「社会保障審議会(介護給付費分科会)」第263回~第265回資料

※2026年9月14日8時前の公開情報をもとに編集しています。第266回の個別団体資料は公開後に追加確認が必要です。

株式会社メディケアプロモーション編集部

介護・障がい福祉・訪問医療の営業支援現場で得た知見をもとに、地域連携、営業、広報、AI活用に関する情報を発信しています。

編集担当:Mona